スイカSide
だれのこえ?
くるしんでる?
ねむいなあ……
顔が青いあなたの下の名前を見て一気に目が覚める。
大丈夫?
しんじゃう?
どうすれば
どうすれば
どうすれば
あなたの下の名前Side
さっきから嗚咽するだけでなにも出てこない
苦しいなあ………
胃が煮えているような感覚がする。
普通、怒り狂う時に使う表現なのだろうが本当にそんな感覚がする。
気管支が狭まる感覚。
息ができない。
たすけて
たすけて
…いや、冷静になれ
パニックになって過呼吸なんて洒落にならない。
大丈夫。
スイカちゃんが誰か呼んできてくれるんだから。
こうなり始めたのは数分前。
なんの予兆もなかった。
どんどん酷くなっていく。
何があった?
ただの体調不良なんかじゃない。
トリップが関係している。
…そういえば、私が昨日来た時もこのくらいの時間帯だ。
スイカちゃんは私とお話して疲れたのか、ずっと寝ていた。
途中、フランソワさんが覗いてきたけど、面識はあったし、起こさずそっとしておくことにした。
ほっといて帰ることもできず、そのまま居たが…
だとすれば、24時間トリップ先で過ごすとこうなると。
他に何かあったかと問われれば何もない。
異世界だし、私の存在する世界が曖昧になっちゃった感じか?
スイカちゃんの声が聞こえる。
蹲っているため距離感はわからない。
意識はずっと朦朧としているが気絶する気配はない。
焦点が合わない。
息を吸おうにも、息を吐こうにも上手くいかない。
多分背中をさすってくれているんだろう。
あんまり感覚がないからわかんないなあ
息が吸えるようになる。
だが、まだ吐き気はするし、すぐ気管支も狭まるだろう。
一旦帰ったほうがいいか。
いや、コレが帰っても持続された場合私は一人暮らし。
何も対処できる人間がいない。
酸欠で頭がまわらない。
ちがう。
トリップ先に居すぎたからこうなっているのだ、
一旦帰ったほうがいい。
大丈夫だ、
大丈夫。
帰ったら治っているはずだ。
大丈夫。
大丈夫。
涙で視界が滲む。
一度落ち着いたので声は出せる。
大丈夫。
今度は全身が痛い。
頭がガンガンする。
帰りたい。
帰りたい
帰りたい。
帰りたい
躊躇いがちに、キスを落としてくれた。
周りを見渡せば自分の部屋。
なんの変哲もない、自分の部屋。
少し頭を働かせるのに時間はかかるものの、何も異変はない。
すぐによんでも来てくれる人なんて救急車くらいしかいない。
救急車もそんな早くこないだろーし
…やっぱ頼れる人ってのはつくっとくべきだね
一人暮らしは特にさ。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。