五条side
月日は流れ、僕は高専を卒業した
そして高専卒業をした僕は教師になった
僕だけじゃなく、傑とあなたも教師になった
傑と会話を終え、僕はあなたのところに向かう
今は多分、硝子のところにいるだろう
医務室
医務室に着くと聞き慣れた2人の楽しそうな声が聞こえてくる
あなたの声が聞こえてきて思わず口元が緩んでしまう
医務室のドアを開けると薬品とタバコの匂いがツン、と鼻を突いた
僕よりも一回りも二回りも小さい手を繋ぐ
もちろん恋人繋ぎ
夜空の話をしたら目をキラキラさせたあなた
こういうところが本当に愛おしくて堪らない
懐かしいなぁ、と呟くあなた
望月家はずっと前に無くなっていたが、あなたが望月家を立ち上げた
今では望月家の当主だ
あなたは僕と繋いでいる手に更に力を込めた
紫色と水色の綺麗な瞳が僕を捉えた
あぁ、やっぱり僕にはあなたしか居ないな
僕はあなたと手を繋いでない方の手をポケットに突っ込み、小さな箱を握った
僕は一度、あなたから手を離し、あなたの前で膝ずき小さな箱を開けた
僕と結婚するからには幸せな人生は歩めない
これから先、沢山の不幸が待っていると思う
だからプロポーズはこの言葉にした
僕はあなたの左手の薬指に指輪を嵌める
僕はあなたの唇にそっと優しく触れるだけのキスを落とした
少し照れたような表情であなたは笑った
高専の頃から変わらない俺が大好きなあの笑顔で
その笑顔は本当に夜空や六眼よりも綺麗だった
・━━━ ℯ𝓃𝒹 ━━━・













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。