これは少女の記憶。
これまでの少女の生きてきた過去。
私は生まれてからずっとひとりぼっちだった。
両親はおらず、児童養護施設で優しい先生に育てられてきた。
そこには私と同じような事情を持った子供たちがいた。
この施設では
「笑顔はみんなと一緒に」
という合言葉のようなものがあった。
でもそんなもの私には関係なかった。
私の右目の瞳の色は赤い。コンタクトなんかじゃない。これは生まれた時からだ。
これを見た子供たちはみんな怖がった。私から離れていく。男の子からはちょっとしたいじめもあった。でもしょうがない。どうしようもないから。
私は少しでもみんなを怖がらせないよに右目を隠すように前髪を伸ばした。
いや、違う。怖がらせないよにじゃなくて、自分で見たくなったから。私が普通じゃないと知った時、怖くなった。みんなと違うのが嫌だった。
12才の春。
いつものようにみんなと離れた場所で何も無い時間を過ごしていた。桜の木の下。私の唯一落ち着ける場所。
そこで出会ったのは2人の悪魔だった…。
私はこの時寿命なんてあまり気にしてなかった。
なんのために生きてるのか、生きる意味なんてどこにあるのかよく分からなかった。
何にもない日々を繰り返すだだけ。そうしていつか死ぬのならば、寿命を悪魔に吸収されることになんの躊躇(ためら)いもなかった。
これが夢だったとしても__。
=f=i=n=i=s=h=============
第3章終わり!
少女の過去が少し分かってきましたね。この悪魔との出会いが少女の運命を大きく変えていきます。
契約を決意した少女は一体どんな願いを叶えてもらうのでしょうか…。
次回の第4章もお楽しみに。
⚠︎訂正
少女の設定を変えます。
悪魔と出会った時の年齢を12才に変更です。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!