思わず視線をそこに集中してしまう
周りの雑音なんて聞こえなかった
間違いない、あの忌々しい声に紫色の目。
身体中に傷をつけられながら言われた家族を馬鹿にするような言葉の数々が思い出される
憎い。
どうにかして、殺し_
ニコリと笑う顔と他の先生方の楽しそうな声でハッとした
ここはもうあそこじゃない。
そして、この目の前にいる男もあいつじゃない。
そんなの、分かってる。
分かってる、はずなのに…
なんでこんなに感情が抑えきれないんだろう
その後の話もなにもかも全部、私の頭には入らなかった
一通り自己紹介が終わり、私はようやく解放されて先生方の歩く一歩後ろを1人歩いていた
これからはしばらくここで住むことになる
ということは、あの男とも顔を合わせなきゃならないということ。
突然横からひょこっと出てきた顔にびっくりする
……あぁ、それでか。
私の汚い気持ちも見られたってわけか
関係の無い者を巻き込むのはボスが嫌がる
それにカルエゴさんだって面倒事は御免だと耳にタコが出来るほど言っていた
私自身、無駄なことは嫌いだ
ならこの感情は無駄なのだろうか
家族を馬鹿にされて憎いという感情は。
𝐍𝐞𝐱𝐭











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。