〈あなたside〉
昨日隼くんに
"お昼に待ってて"
って言われたから
窓の外から見える青い綺麗な空を見ながら
静かに待つ
そんなことを一人で呟いたとき
ピンポーン♪
と家のチャイムが高く鳴る
急ぎめに出ると
って、昨日の隼くんとは
まるで違う隼くんがそこに居た
懐かしい公園だなぁ、
なんて思う私っておかしいかも、、、
それから公園までは無言のままで
二人でベンチに座って
この無言の空気きついな〜…なんて思ってたら
隼くんのその言葉にすでに泣きそうになってたら
急に視界が真っ暗になって
そんな隼くんのハグは、昨日の亜嵐のハグより
何倍も暖かくて、、嬉しかった。
泣きながらそう答えると
え、、まじ、、、?
って離れて私を見つめる隼くん
そんなしょうもない会話をして
二人で笑ってたら
もー!そんなの隼くん怒るからね?!
なんて言ってる隼くんが可愛くて、笑笑
そんなかっこいい言葉を
頭を引き寄せて言われて顔が赤くならない人なんて居ないと思う。
って、すぐこんな会話になってしまう私達、笑
すると隼くんの顔に水滴がポタッと落ちてきた
二人して空を見上げると
確かに空全体が灰色で、"雨が降るぞ"って言われてるみたいだった
確実に強くなっていってる雨
多分通り雨だろうけど
だからといってこの場に居るなんて出来ない
家まで走っていって
思ってたより時間がかかったから
家についた頃には二人ともずぶ濡れ、笑
ダボって着るのが好きな私は
よくメンズの服を買う。
やばいかな、って思ってたけど
今、良かった。って思えた笑
………ごめん、じゃあすぐ上がるから!
って言って入っていった隼くん
入ると思うサイズの服を適当に置いて
私はお茶を飲んでたら
上がったよー!!
なんて声
私も早く温まりたくて
すぐにお風呂に向かった
〈隼side〉
さっき告白成功したなんて思えないくらい
あなたちゃんと俺の空気感は変わってなくて
ブオーン。って来るドライヤーの風が
すごく温かい。
って、当たり前か、笑
窓から見える外の景色は
雨が降ってるはずなのに、俺には明るく見えた
………あれ、俺目おかしいのかな…?笑
すぐ乾いて、いつもはツンツンしてる髪の毛も
今は下に降りてサラサラしてる
髪の毛も洋服も、全部あなたちゃんの匂い。
って考えただけでのぼせそう
テレビでは芸人さん達がコントしてて
この前、メガネかけたら似てる。
って言われた芸人さんが出てるわ、笑
すると、あなたちゃんがお風呂から上がる音が聞こえた
濡れた綺麗な黒髪ロングの髪を手にかけて
そんなことを言ってるあなたちゃん
ほんと分かりやすい、笑
倒れそうなくらい顔が真っ赤なあなたちゃん笑
そんなこと言うと、
純粋じゃないよ…
ってブツブツ言いながら俺の足の間に体育座りする
髪の毛だけまじまじ見ることなんてなかったけど
ほんとにツヤツヤしてて、
喜怒哀楽って言葉が人間になったみたいで、笑
それからもずっと笑いながら髪の毛を乾かしてて
小さなミラーを机の上に出して
量多いんだよなぁ〜
って言いながらクシで髪の毛をとかしてるあなたちゃん
その後ろ姿は妙に色気があって
思わず抱きつきたくなった。
ギュ
あなたちゃんの華奢な体に手を回して
小さな背中におでこをくっ付ける
そのまま顔を肩に移動させて
鏡越しであなたちゃんと目が合う
また顔真っ赤、笑
顔が赤いまま微笑んで
うん!って返事するあなたちゃんは
お風呂あがりだからか、元々か。
多分後者だろうけど
すごくすごく綺麗に見えて。
俺が隣に居ていいのか、ってふと思った瞬間だった
初めて呼び捨てをして首元にキスを落とすと
りんごよりももっともっと真っ赤になって
なんて言うから
隼くん理性保つのか心配だったじゃん!←
いつの間にか雨は止んでて
これ以上長居するわけにはいかないから
失礼します。ってあなたちゃんの家を出て
なんて小声で言ってる俺は
相当やばいやつ。笑
_______
「ふ〜ん。あれほど忠告したのにな〜。」
影から見てる人が居るなんて知りもせずに
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。