あの後すぐ寝た部長をおき、
急いでお家に帰った。
帰っても、
部長の口から移ったお酒の匂いがする。
そしてまだ残ってる、
抱かれた感触。
あたしは泣いていた。
カンタに申し訳なくなり、
ただひたすらに泣いた。
カンタ……ごめんなさい…
二度と言えない、
そしてもう二度としない
そう誓った。
デート当日。
お昼から待ち合わせして、
映画を見に行った。
なんとか元気を偽った。
デートなんだ…楽しくしないと…
ずっと行きたかったカフェに行き、
休憩することにした。
さすが長年付き合ってるだけあって、
あたしの異変にすぐ気づいた。
言えない…死んでも……
そう言って笑ってみせた。
少し拗ねるカンタ。
少し悩んで、
ショッピングに行くことになった。
それぞれ見たいものを見て、
沢山買い物をした。
行くとこがなくなり、
またどーするか悩む。
少し寂しそうに言う。
なんだかんだ寂しがり屋なカンタ。
そーゆうとこも、
可愛くて大好きだなぁ
あたし達はカンタの家に向かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!