第2話

剥がさない仮面。
446
2025/10/19 10:00 更新
......結局“ 寝落ち ”という形で、朝を迎えた。
 
司
.......もっとひどくなってるな、
 
隈は相変わらずひどいままで、そのせいかやつれているようにも見えた。
......このまま誰かと出会ったら、間違いなく心配されるだろう。
だからオレは、部屋を出る前にコンシーラーで隈を隠して、
誰から見ても『 元気 』だと思われるような笑顔を作る。

.............笑顔を偽るなんて、久しぶりだ。
アイツらを騙しているようで、罪悪感が湧いてくるが。
 
司
......迷惑をかけてしまうよりかは、余程マシだ
 
準備が終わり、オレは咲希の部屋に向かう。
そして───
 
司
咲希ーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!
朝だぞーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!
 
“ いつもの天馬司 ”、になる。
咲希
咲希
ごちそうさまでしたっ!
司
ごちそうさまでした!!!
 
朝食を済ませ、バンドの朝練がある咲希と風紀委員の仕事があるオレは、いつもより早く家を出る。
 
司
母さん、行ってきます!!!!!
咲希
咲希
行ってきま〜す!!
母親
母親
ふふっ、行ってらっしゃい
 
母さんに見送られながら、オレと咲希はそれぞれ学校に向かった。
司
おはようございます!!!!!!!!!!!
クラスメイト
はよー、天馬。
相変わらず声デケェって
クラスメイト
お前、寝起きとかなさそうだよなー
司
む、そう言われてみればそうだな......
朝は強い方だからな!!
クラスメイト
“ 方 ”なのか?
強いに決まってんだろ
 
笑いながらじゃあな〜と手を振る友人にオレも振り返して、あいさつ運動の仕事に戻る。
......“ 寝起きとかなさそう ”、か。
 
司
(まあ、本当のこと......なんだが、)
 
最近はよく寝れないせいで声を出すこともつらくなっているから、嘘だとも言えるんだろうか.......
 
冬弥
冬弥
司先輩、おはようございます!
司
おお、冬弥!! それに彰人も、おはよう!!!!!!
彰人
彰人
.............................はよっす
司
なんだその間は!?!?!?
 
明らかにわざとであろう不自然な間を受け取る。
......まあ、コイツはいつもそうなのだが。
冬弥も、オレがあいさつ当番の時は、毎朝オレを見つけて挨拶してくれる。
.........コイツらが、いつも通りに接してくれている。
それを、オレの“ 仮面 ”に気づいていないという言動を見ると、安心を感じる。

......そう感じる自分に、罪悪感が湧いてしまうところまでがセットだった。
 
冬弥
冬弥
......それでは、俺は今日日直なので
そろそろ教室に向かいますね
司
なぬっ!?!?
大丈夫なのか!?!?!?
冬弥
冬弥
はい、大丈夫です。
今からでも間に合いますから
司
な、ならいいが.......
司
日直、頑張ってくれ!! またな!!!
冬弥
冬弥
はい! また!
彰人
彰人
さよーなら
彰人
彰人
お前、司センパイのことになると他の仕事がおろそかになったりするよな......
冬弥
冬弥
.........そうか?
彰人
彰人
.......ああ、無自覚ならいいわ
 
話しながら昇降口に向かっていく冬弥達を見送って、風紀委員の仕事を続けた。
 
風紀委員の仕事が終わり、教室に向かおうと廊下を歩いていると
寧々と暁山と白石の3人で話している姿が見えた。

珍しいな......と思いながら、
見かけた限りは挨拶をしようとそこに行く。
 
杏
あっ、天馬先輩。おはようございまーす!
瑞希
瑞希
おはよーございまーす♪
寧々
寧々
おはよ
司
おはよう!!! ......いや、お前ら3人が揃うなんて珍しいな
司
何の話をしていたんだ?
杏
あ、それは......
瑞希
瑞希
いや、教室に向かおうとしたらたまたまふたりを見かけてさ。
そのままここで喋ってたんだよね〜
司
む、そうなのか!
司
だが、遅刻するといけないからな。
早めに教室に向かうんだぞ!!
杏
.......おお、ちゃんと風紀委員してる.......
寧々
寧々
はいはい。
って言っても、まだ15分あるでしょ
司
ぐっ......そ、それもそうだが、
 
寧々に正論で負けるのは、なんか悔しい気がするな......
 
オレはすぐ近くに教室があるわけではないため、
早めに寧々達と別れ、今度こそ教室に向かった。
司
お前ら!!! おはよう!!!!
類
おはよう、司くん。
今日も元気だねえ
司
当たり前だろう!!!
.....と、それは置いておく
 
オレはチラッと類の机を見て、おそるおそる訊ねる。
 
司
お前......今日、HRで小テストがあることを知らないのか......??
類
おや? 知ってるに決まってるじゃないか
 
どうやら忘れているわけではなかったようだ。
......いやまあ、どっちでもいいのだが。
他のヤツらはノートや教科書を開いていたりしているが、コイツの机の上にあるものは、教科書やノートなどではない。
明らかに............
 
司
.............じゃあ............
司
なぜ、お前の机にはくす玉が置いているんだ!!!!!!!!
類
『 なぜ 』と訊かれると、
今日試したい演出に使うからだね
司
今じゃないだろう......!!
 
......お前は頭がいいから、勉強しなくても乗り切ることができるのかもしれんが。
だが、少しでも勉強する意思というものを見せてはくれないのか。
本当にコイツは小テストの存在を知らなかったんじゃないかと思うほどに、テスト前の緊張も見られない。
 
類
まあまあ、心配するのは僕じゃなくて自分の方なんじゃないのかい?
類
今日は“ 物理 ”の小テストだ。
君の苦手な教科だろう?
司
う......だ、大丈夫だ!!
この日のために、昨日はしっかり勉強したからな!!
 
......昨日の深夜も含む、とは言わないでおく。
まあ、眠たくても眠れないあの時間を勉強に費やせたのなら、決して無駄な時間とはならなかっただろう。
 
類
前回は悲惨だったからねえ
司
......そ、そうだな......
 
類に痛いところを突かれ、言葉が出なくなってしまった。
......悠長にしている暇はないな。
念には念を入れて、直前にも復習しておくか。
 
オレは席に着いて、カバンを開けた。
 
.......よし、今日も“ 大丈夫 ”そうだ。
寝不足であまり頭が回らないが......張り切りすぎると、逆に怪しまれるからな。
類はえむの次に“ 演技 ”に敏感だ。
だから、あくまでも自然に振る舞わなければならない。
 
 
大変だな、本当に。
『 闇を見たいです。もう少し長くなるかも← 』
 
コンシーラーで目の隈を隠す闇司が大好きです。

導入が長いことで有名なのであと5話くらいかかるかもしれません。え?長い? 知ってます←
出したい時に出すスタイルですので投稿頻度もバラバラですが気長に待ってくれると嬉しいです
ただ書きたいところまでは書き進めたい。絶対に(

プリ小説オーディオドラマ