......結局“ 寝落ち ”という形で、朝を迎えた。
隈は相変わらずひどいままで、そのせいかやつれているようにも見えた。
......このまま誰かと出会ったら、間違いなく心配されるだろう。
だからオレは、部屋を出る前にコンシーラーで隈を隠して、
誰から見ても『 元気 』だと思われるような笑顔を作る。
.............笑顔を偽るなんて、久しぶりだ。
アイツらを騙しているようで、罪悪感が湧いてくるが。
準備が終わり、オレは咲希の部屋に向かう。
そして───
“ いつもの天馬司 ”、になる。
朝食を済ませ、バンドの朝練がある咲希と風紀委員の仕事があるオレは、いつもより早く家を出る。
母さんに見送られながら、オレと咲希はそれぞれ学校に向かった。
笑いながらじゃあな〜と手を振る友人にオレも振り返して、あいさつ運動の仕事に戻る。
......“ 寝起きとかなさそう ”、か。
最近はよく寝れないせいで声を出すこともつらくなっているから、嘘だとも言えるんだろうか.......
明らかにわざとであろう不自然な間を受け取る。
......まあ、コイツはいつもそうなのだが。
冬弥も、オレがあいさつ当番の時は、毎朝オレを見つけて挨拶してくれる。
.........コイツらが、いつも通りに接してくれている。
それを、オレの“ 仮面 ”に気づいていないという言動を見ると、安心を感じる。
......そう感じる自分に、罪悪感が湧いてしまうところまでがセットだった。
話しながら昇降口に向かっていく冬弥達を見送って、風紀委員の仕事を続けた。
風紀委員の仕事が終わり、教室に向かおうと廊下を歩いていると
寧々と暁山と白石の3人で話している姿が見えた。
珍しいな......と思いながら、
見かけた限りは挨拶をしようとそこに行く。
寧々に正論で負けるのは、なんか悔しい気がするな......
オレはすぐ近くに教室があるわけではないため、
早めに寧々達と別れ、今度こそ教室に向かった。
オレはチラッと類の机を見て、おそるおそる訊ねる。
どうやら忘れているわけではなかったようだ。
......いやまあ、どっちでもいいのだが。
他のヤツらはノートや教科書を開いていたりしているが、コイツの机の上にあるものは、教科書やノートなどではない。
明らかに............
......お前は頭がいいから、勉強しなくても乗り切ることができるのかもしれんが。
だが、少しでも勉強する意思というものを見せてはくれないのか。
本当にコイツは小テストの存在を知らなかったんじゃないかと思うほどに、テスト前の緊張も見られない。
......昨日の深夜も含む、とは言わないでおく。
まあ、眠たくても眠れないあの時間を勉強に費やせたのなら、決して無駄な時間とはならなかっただろう。
類に痛いところを突かれ、言葉が出なくなってしまった。
......悠長にしている暇はないな。
念には念を入れて、直前にも復習しておくか。
オレは席に着いて、カバンを開けた。
.......よし、今日も“ 大丈夫 ”そうだ。
寝不足であまり頭が回らないが......張り切りすぎると、逆に怪しまれるからな。
類はえむの次に“ 演技 ”に敏感だ。
だから、あくまでも自然に振る舞わなければならない。
大変だな、本当に。
『 闇を見たいです。もう少し長くなるかも← 』
コンシーラーで目の隈を隠す闇司が大好きです。
導入が長いことで有名なのであと5話くらいかかるかもしれません。え?長い? 知ってます←
出したい時に出すスタイルですので投稿頻度もバラバラですが気長に待ってくれると嬉しいです
ただ書きたいところまでは書き進めたい。絶対に(





















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。