前の話
一覧へ
次の話

第51話

ピアノが繋ぐ二つの手 ③5月17日
404
2024/05/18 11:32 更新
ーーーーーーーーーーside 司


今、オレは学校が終わり駅に向かっている。

あなたと映画を観る為だ。



pianissimoピアニシモ〜ピアノが繋ぐ二つの手〜
内容が気になったが、今の時代、ネットを開けばネタバレに当たる。
オレは我慢した。
我慢したぞ、とても気になったがな!




自分を褒めながら駅に向かっていると
(なまえ)
あなた
つ、司っ!

後ろから声がした。
同じ学校だから近くを歩いていてもおかしくはない。
というか、校門やその近くで待ち合わせても良かったかもしれん。
司
あなたか。
振り向いた時、前に経験した感覚が頭をよぎった。
咲希と買い物に行って、ワンピースを着ていたのを見た時の感覚。


薄くだが、メイクをしているあなた。

メイクをしている姿を見るのは初めてかもしれない。
いや、初めてだ。
(なまえ)
あなた
お誕生日…おめでとう!
その言葉は頬が赤くなった、むっとした顔から発せられていた。
司
あぁ、ありがとう。
(なまえ)
あなた
なんでそんな顔なの?そんなに変?
無意識に笑っていたようだ。
微笑んでいる、に近いのかもしれない。
司
違う。
(なまえ)
あなた
何が違うの?
司
嬉しいんだ。
似合っているぞ。
(なまえ)
あなた
………。
下を向いて両手を握ってしまった。
照れているのか拗ねているのか、または両方なのか。

司
映画が始まってしまうぞ!?
間に合うように行こう!
(なまえ)
あなた
うん。
照れていたのか。




ーーー



映画館に着いた。


電車の中でのあなたは落ち着きがなかった。
特に何か話す訳でもなく、隣に座っている。
それでも下を向いたり、こっちを見たり、また下を見たりと終始ソワソワとしていた。

司
ちょうど良い時間だな。
オレは飲み物だけ買えば十分だ。
あなたはどうする?
(なまえ)
あなた
私も飲み物だけでいいかな。
司
では、観に行くとするかっ!
(なまえ)
あなた
うん。楽しみ。
司
やっと笑ったな。
あなたは驚いた顔でオレを見た。
気がついていなかったのか?
(なまえ)
あなた
お誕生日なのに、ごめん。
メイクおかしくないか気になっちゃって。
司
綺麗にできていると思うぞ。
指導者が良かったんだな。
(なまえ)
あなた
うん。
すごく丁寧に教えてくれたの。
分かりやすくて練習もしやすかった。
司
練習もしたのだな。
頑張ったな、ありがとう。
(なまえ)
あなた
司の為だけじゃ、無いかもしれないでしょ。
司
なんだ、違うのか。
残念だな。
何か言いたそうにしながらも目を逸らすあなた。
司
素直に認めろ。
オレの誕生日に頑張ってくれたんだろう?
(なまえ)
あなた
………うん。
司
ありがとう。
(なまえ)
あなた
映画始まるから行く。
司
そうだな。


事前にチケットを買っていた事もあり、中央の席に並んで座れた。

 

ラブストーリーと言っていたが、ストーリーは

数年ぶりに再開した男女が、ピアノを通して愛情を深めていく、というものだった。

どことなくオレとあなたを連想させる。

ピアノを弾いていた女性の手が止まった。
展開をみるに、戸惑って手が止まったのか。
その時、男性が女性に手を重ねた。

女性は安心したのかピアノの演奏を続け、男性は寄り添っていた。
(なまえ)
あなた
………
もしかしたらあなたもオレ達に重ねて見ているのかもしれない。

椅子の肘置きにあなたの手が乗せられている。
その手に、オレの手を重ねた。

(なまえ)
あなた
っ!?


ーーーーーーーーーーside あなた


司の手が、私の手に乗ってる。
ビックリして司を見たら、凄く優しい笑顔だった。
司に好きって言われた日の笑顔と同じ。

すごくドキドキする。


何日か前、司に『出かけないか』と誘われた。
映画に行きたいと伝えて、行く日は司の誕生日。

ドキドキしたし先約があると思ったけど、暇だと言われて驚いた。
後から聞いたらよく分かってなかったみたい。

この後はワンダショの人達と約束があるはず。
だから今日は映画で終わり。

帰りに買う予定だったキーホルダーがある。
この映画の紹介を見た時に、司と観たいと思った。
グッズを見た時に、お揃いで持ちたいと思った。

帰りに2つ買って渡そう。
今の私には時間的にも、気持ち的にもこれが精一杯。
司
いい話だったな。
(なまえ)
あなた
あ、
司
どうした?
司の手は、まだ私の手の上。
(なまえ)
あなた
ドキドキして…途中から覚えてない…。
司
悪い。
(なまえ)
あなた
でも、うれしかった…
司の顔を盗み見ると、真っ赤だった。





ーーーーーーーーーーside 司



ワンダーランドのセカイ
司
待たせたな。
類の彼女
類の彼女
気にしないで!どうだった!?
寧々
寧々
テンション上がりすぎ。
類
ずっとソワソワしていたからね。
司くんが答えるまで聞き続けると思うよ。
司
その、なんだ。
類の彼女
類の彼女
うんうん!
えむ
えむ
司くんどうしたの?
いつもと違うよー?
類の彼女
類の彼女
そりゃあそうだよえむちゃん!
類
少し落ち着けるかな?
司
いい時間だった。


オレのパスケースにはあなたにプレゼントされたキーホルダーが光っていた。
照れながらも2つ買ったうちの1つをオレにくれた。
セカイでパスケースは必要無いが、今は持っていたい気分だ。


映画の内容は後半はほとんど覚えていないらしい。
悪い事をした気もするが、赤い顔で受け入れてくれた事が嬉しかった。

映画は公開終了までにもう一度観に来ようと約束をして、今日は予定通り解散した。
また後日、ゆっくり出かける予定を立てよう。





ーーーーーーーー


司くん、happy birthday !!


ギリギリだし司くんのバースデーバーチャルライブも見れてないっ
観に行かなくちゃ!!

プリ小説オーディオドラマ