ーーーーーーーーーーside 司
廊下を確認しようとドアを開けると、母さんが居た。
ふぅ、と息をつく母さん。
廊下に出てみると、俯きがちに壁に背中をつけているあなたが居た。
あなたの顔が赤い。
一瞬で俺の顔も赤くなった気がする。
赤い顔をしたあなたは応えない。
無言で首を横に振るあなた。
俺は安心したが、咲希からは見えない為伝わらない。
小さい声でそう言った。
咲希がものすごい勢いで廊下に出てきた。
真っ赤な顔をしたあなたを確認すると、
咲希があなたに抱きついた。
両手で顔を覆うあなた。
確かに、好きだと言ってあなたも俺を好きだと言った。
…大好きだと言われた気がする。
あなたは俺の彼女になったのか。
クスッと笑いながら母さんは言うが、
今の俺に反応する余裕は無い。
今のあなたは何も手につかなそうだ。
後から聞いたが、
俺と咲希の声はリビングにいる父さんに筒抜けだったらしい。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。