いつの間にかお夕飯を頂く時間になっていて、今は全員食卓に着いている。
それまでの間何をしていたかと言えば、
『いつ好きだと伝えたのか』
『それを聞いた時どう思ったのか』
という咲希ちゃんからの尋も…質問に、司と答えていた。
恥ずかしすぎて言いたくなかったけど、
言わないと話が終わらないのも予想がついた。
だから、言うしかなかった…。
司のお父さんが苦笑いしながらそう言ってくれた。
食事の席で咲希ちゃんがずっと嬉しそうにしている。
対して私は咲希ちゃんにいろいろ聞かれて、今までの出来事を振り返った。
そして『彼女』という馴染みの無い言葉に恥ずかしさが勝ってしまった。
司は司で動揺を隠そうとしているみたいだけど、バレバレ。
フォークの先の向き上下逆だし。
それじゃ何も刺せないよ…。
先生が司と私を褒めてくれた。
けど…
司も先生も私の行動を頑張りとして認めてくれた。
嬉しいけど、なんか照れるな。
咲希ちゃんは相変わらず元気。
そして先生は冷静。
前に来た時は、ピアノを弾いて泣き喚いて、
その後に家に帰りたく無いとワガママを言って。
心配した司が連絡をとってくれてお泊まりする事になった。
その後だから表情は暗かっただろうな。
今は自分でも分かるくらい自然な表情だと思う。
司達、関わってくれた人達みんなに感謝しないと。
張り切っている咲希ちゃんに司が戸惑ってる。
ちょっと面白い。
音楽堂で司と話した『やりたい事』。
髪は切ったから、次は年相応のおしゃれ。
とは言っても私には分からない事だらけ。
咲希ちゃんに選んでもらって、司をビックリさせたいな。


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!