ボヒョクとの集合場所には1時より少し前に到着した。
久しぶりだし、お姉さん感を出したくて、
おしゃれにも少し気合いが入っている。
黒のスカートに、青と白のストライプシャツ。
その上にはクリーム色のニットベストを着た。
ワンポイントで、メガネまでかける。

メニューをみながら待っていると、
誰かが私の前に立っていた。
ボヒョクだ!
そう思った私はなんの疑いもなく顔を上げる。
目の前に立っていたのは、ボヒョクではなく、ウォヌだった。
状況を整理できない私を他所に、
ウォヌはそのまま私の向かいの席に座る。
私が見ていたメニューをひょいっと取って、
それを見ながらそういうウォヌ。
笑顔だし、声も楽しそうに聞こえるのに、
目が全然笑ってない。
長い付き合いのせいで、嫌でもわかってしまう。
ウォヌは怒ってるんだ。
今まで喧嘩したことはあっても、
こんなに感情むき出しのウォヌははじめてで。
なんでボヒョクじゃないんだ、
とか、
なんでウォヌがここにいるの、
とかで、頭がぐちゃぐちゃになる。
ウォヌに呼びかけられてはっと我に返る。
___久々だな、名前呼ばれるの。
余裕のない頭でもしっかりときめいてしまう自分が嫌になる。
この半年間、ウォヌを忘れるために頑張ったのに。
たった一回あっただけで全てが崩れ去ってしまう。
私の目を捉えて離さないウォヌを見て、
また好きの気持ちが溢れてしまいそうになる。
____このままじゃダメだ…
咄嗟にそう思った私は、立ち上がってその場を去ろうとする。
だが、ウォヌに腕を掴まれて動けなかった。
真剣な目で私も見つめるウォヌを、
無視することは出来なかった。
わたしが言われた通り席に着くと、店員さんがやってきた。
わたしが動揺している間に、注文をすませていたらしい。
私の前には暖かいココアが置かれた。
ウォヌが注文したのはホットコーヒー。
こんなときでも、苦いのが苦手な私のために、
何も言わずに配慮してくれる姿に自然と心が惹かれてしまう。
でも、その度に、ウォヌが女性といたときの様子を思い出す。
ウォヌは私を幼なじみとしか思ってない。
呪文のように心の中でそう唱え、気持ちを落ち着かせる。
ようやく落ち着いてきた頃にウォヌの方を見ると、
目が合った。
ずっと、私のことを見つめていたようだ。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。