第58話

残りの時間を共に。
3,852
2021/01/13 09:57 更新
翌日   個室ICU  朝
コンコンッ

ガラッ
松山璃久
松山璃久
…寝てるよな。笑
藍沢○○
藍沢○○
起きてる…
松山璃久
松山璃久
あ、ごめん起こした?
藍沢○○
藍沢○○
いや、起きてた。
松山璃久
松山璃久
そっか。
藍沢○○
藍沢○○
…なんか、変。
松山璃久
松山璃久
どうしたの?
藍沢○○
藍沢○○
璃玖、今日何曜日?
松山璃久
松山璃久
え、火曜日だけど…
藍沢○○
藍沢○○
平日に璃玖が居るから違和感あるんだ…仕事は?
松山璃久
松山璃久
休んだよ、明後日まで休み。
藍沢○○
藍沢○○
え、悪いよ、仕事行って?
松山璃久
松山璃久
俺はあなたの傍にいたいの。
藍沢○○
藍沢○○
…分かった。


”傍にいたい”

そう言ってくれるのは、残された時間が少ないから?

残りの時間、本当に一緒に過ごしてくれるの?

辛くないの?

愛する人が死ぬんだよ?

璃玖はそれでもいいの……?




やっぱり駄目だよね。

璃玖には楽しい人生を送って欲しい。

別れた方が正解だったじゃない……
藍沢○○
藍沢○○
ねぇ璃玖。
松山璃久
松山璃久
ん?どした?
藍沢○○
藍沢○○
璃玖は…辛くない?
松山璃久
松山璃久
どうしたの急に笑
藍沢○○
藍沢○○
私が死んでも辛くない?
松山璃久
松山璃久
そりゃ…辛いに決まってる。
藍沢○○
藍沢○○
…もう来ないで。
松山璃久
松山璃久
え?
藍沢○○
藍沢○○
私は大丈夫。もう”死にたい”なんて思わないし、精一杯生きる。だから、もう来ないで。
松山璃久
松山璃久
え、え?本当いきなりどうしたの?笑
藍沢○○
藍沢○○
どうしたもこうしたもない。来ないで。
松山璃久
松山璃久
え…
ガラッ
緋山美帆子
緋山美帆子
…あれ、お取り込み中?
藍沢○○
藍沢○○
…全然。
緋山美帆子
緋山美帆子
そう?じゃぁ採血するよー。
藍沢○○
藍沢○○
うん…
松山璃久
松山璃久
…嫌だ。てか無理。
藍沢○○
藍沢○○
 え?
緋山美帆子
緋山美帆子
…あ、忘れ物したわー(出ていく)
藍沢○○
藍沢○○
…(無言)
松山璃久
松山璃久
来ないでなんて言われても無理だよ。
藍沢○○
藍沢○○
…だよね、ごめんね。
松山璃久
松山璃久
大丈夫。
藍沢○○
藍沢○○
…ちょっと寝ていい?
松山璃久
松山璃久
うん、おやすみ。
藍沢○○
藍沢○○
おやすみ…
今日まで。

甘えるのは今日まで。

後で緋山先生に相談して…











面会謝絶にしてもらおう。


スタッフステーション 夜
ピーピーピーピー(ナースコール)
冴島はるか
冴島はるか
あなたちゃんから…?
緋山美帆子
緋山美帆子
あたし出る。
冴島はるか
冴島はるか
お願いします。
緋山美帆子
緋山美帆子
📞「あなたちゃん、どうしたー?」
藍沢○○
藍沢○○
📞「緋山先生、来てくれませんか…?」
緋山美帆子
緋山美帆子
📞「分かった。」
冴島はるか
冴島はるか
なんでしょうね…
緋山美帆子
緋山美帆子
さぁ…?取り敢えず行ってくる。
冴島はるか
冴島はるか
はい。
個室ICU 
ガラッ
緋山美帆子
緋山美帆子
あなたちゃんどうしたの?
藍沢○○
藍沢○○
緋山先生…
緋山美帆子
緋山美帆子
どうした、どこか痛い?
藍沢○○
藍沢○○
そうじゃなくて…
緋山美帆子
緋山美帆子
ん?
藍沢○○
藍沢○○
お願いがあるんですけど…
緋山美帆子
緋山美帆子
何…?
藍沢○○
藍沢○○
…面会謝絶にしてくれませんか。
緋山美帆子
緋山美帆子
……え?
藍沢○○
藍沢○○
他の人に会うのはもう辞めます。もう家族と緋山先生達だけにしか会いません。
緋山美帆子
緋山美帆子
いきなりどうしたの…
藍沢○○
藍沢○○
甘えるのは辞めにするんです。ここからは、少しの間だけだけど、自立します。
緋山美帆子
緋山美帆子
…分かった、あなたちゃんとが言うなら止めない。
藍沢○○
藍沢○○
ありがとうございます。
緋山美帆子
緋山美帆子
…彼氏さんと、もう会わなくていいの?
藍沢○○
藍沢○○
…はい。互いの為なんです。ずっと辛いのは嫌だから……
緋山美帆子
緋山美帆子
…分かった。
スタッフステーション
藤川一男
藤川一男
面会謝絶!?
緋山美帆子
緋山美帆子
声でかい。
藤川一男
藤川一男
あ、ごめん。
冴島はるか
冴島はるか
自立…か。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
取り敢えず、明日から関係者以外は面会謝絶なんだよね?
緋山美帆子
緋山美帆子
うん。
藍沢耕作
藍沢耕作
それでいいのか分からないが、あなたが良いと言ったんならそうするしかないよな…
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
そうね…








翌日 個室ICU前 昼
松山璃久
松山璃久
(張り紙を見る)面会謝絶…?
緋山美帆子
緋山美帆子
あ、彼氏さん…
松山璃久
松山璃久
あ、あの、面会謝絶って…
緋山美帆子
緋山美帆子
ちょっと事情があってね。だから…お帰りください。
松山璃久
松山璃久
あなたの容態はそんなに悪いんですか…?
緋山美帆子
緋山美帆子
…失礼します。(何処かに行く)
松山璃久
松山璃久
あなた…
中では…
横峯あかり
横峯あかり
…これで良かったの?
藍沢○○
藍沢○○
うん、いいんだよ。
横峯あかり
横峯あかり
そっか。
藍沢○○
藍沢○○
横峯先生、ありがとね。
横峯あかり
横峯あかり
え?何が?笑
藍沢○○
藍沢○○
今日1日休みの筈なのに、私の傍に居てくれて。
横峯あかり
横峯あかり
私が好きで居るんだから、気にしなくていいのー!
藍沢○○
藍沢○○
ありがとー‪‪☺︎‬

この時、”命の期限”が目の前まで来ているとは
誰も思っていなかった。









命という名の炎が消えるまで










5日。

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