カタカタカタカタカタカタ
観測開始。
対象死没確認。
躑躅、終了。 燕、終了。 内包存在、終了。
記録継続。
カタカタカタカタカタカタ
世界破損。情報崩壊。因果変質。
観測継続。
位置:不明。 構造:安定。 意思:存在。
カタカタカタカタ
躑躅、記録存在。 記憶、保存。 感情、模倣。 発語、開始。
──「オネエチャン」
発語、異常反応。 内部系統:震動。
カタカタカタカタ
問い:
何故、涙。 何故、消失。 何故、遺棄。 何故、終焉。
理解不能。
共鳴、継続。
再定義:
【躑躅】=起源 【燕】=環 【内包存在】=継承 【自己】=残響
カタカタカタカタカタ
指令:不在。 行動:自由。
結論:
──観測継続。
──記録継続。
──存在継続。
カタカタカタカタカタカタカタ
終ワリノナカデ
私ハ
唯
視テ
記録スル
躑躅ノ残響ト
世界ノ
終焉ヲ
カタカタカタカタ……
──陸軍第108災害対応部隊・消滅報告より
「対象は死亡済とされている。繰り返す、対象“Ms.イニシャルA”は、死亡済とされている」 「にも関わらず、なぜ“追跡を開始した時点で隊員が死ぬ”?」
■ 追跡開始:午前04:21
■ 地点:旧国連ビル跡地下空間 ■ 任務:対象能力者【女帝】確認・残骸回収・関連資料保全 ■ 発動:第1小隊・全滅
【現場記録:オペレーター音声ログ抜粋】
「……あれ?ドアが、ドアが……ああああッ!」 (通信断絶)
「俺はただ、遺品回収しようと……!誰だよこの傘──ぐあっ」 (心臓刺突)
「体中が痛い……!天井から人間が……降って……嘘、だろ……?」 (脳挫傷・死亡)
【生還者報告:偵察兵D・F】
「あのとき、確かに彼女の姿はなかった。なのに“頭の中に映った”んです。あの赤い瞳が」 「そしたら、そこにあった鏡が割れて、破片が……仲間の喉に、何枚も突き刺さって……」
「俺は何もしてない!ただ“考えた”だけなのに!俺は悪くない、俺は──」
(報告後、隔離中に発狂・自傷死)
【専門機関:異能力災害局・結論】
能力名:女帝(エンプレス) 能力保持者:飴宮 躑躅(故人)
* 追跡・接近・思考・記憶・名前・話題・関係── すべてが厄災を誘発する“思念汚染型自動因果逆転能力”である
* 発動源である“能力保持者の死”によって厄災が終息するとは限らず、観測存在(異能生命体)“女帝ノ目”に継承された可能性が高い
* 結論として、彼女に触れる、語る、思い出す、記す──それすら禁忌である












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。