第18話

殺すしかない
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2023/12/24 04:43

 あなた side











 朝起きて,身支度を済ませて,家入さんのお手伝いをして…









    釘崎さんや真希さんとも少しお話をして……

   たまに、こっそりケーキとか作ってみたりして……










     そんな日々を過ごすようになってから、

        早くも1ヶ月半が過ぎた……







淡波 あなた
  もう春なんだ……  












  換気のために開いた窓から桜の花びらが入ってきて

         ふと時の流れを感じた。










         あの地獄のような日々は、

       一日一日がとても長かったけど










   ここでの生活は正直、少し……否,とても楽しくて。

        時間の流れが早く感じる。











_@_
  おはよう淡波!今暇?
ちょっと買い物行かねぇ?











         そう優しく笑った悪魔

  私はその笑顔を見る度……とても複雑な気分になる。










淡波 あなた
  ……わかった  
_@_
  そんなに嫌そうにしなくても……  
嫌なら無理しなくて良いよ
淡波 あなた
  ……別に、さっさと行くよ  










  そう冷たくしても、「おう!」と優しく返事をする。

  本当に……何処までも私の調子を狂わせる…でも……











    ……もう、これ以上先延ばしには出来ない。

    私は今日、この悪魔を殺すかどうか決めるんだ。


















































_@_
  多分これくらいで足りると思うから……よし  









      近くのスーパーに幾つか回って、

   定例となってきたタコパの具材を一通り集めた。










  結構大量に作るから、毎度の出費は物凄い額らしい…








_@_
  わざわざ手伝ってくれてありがとな!  
淡波 あなた
  ……私、別に何もしてないじゃん  
_@_
  え?  
淡波 あなた
  今だって荷物とかひとつも持ってないし…  









     あんなに量があって重いだろうに……

   それなのに私が持とうとすると、袋を遠ざける。








_@_
  いやいやいいってそれは!  
女の子に持たせる訳にもいかねぇし!








        ココに釘崎さんが居たら

   「10」と書かれた札を挙げそうな満点回答。










     本当に……疑う余地もないほどの善人。

         だと信じてもいいのだろうか……








淡波 あなた
  ……じゃあなんで誘ったの?  
具材探しも,荷物運びも…全部アンタが
やってるじゃん…一体、私はなんの為に……
_@_
  え?あー……まぁ…  
_@_
  ……淡波と出掛けたかったし、  
淡波 あなた
  ッ……!  









   あぁ……やっぱり私は……この人の優しさを…

       ''偽り''だなんて思いたくない。








淡波 あなた
  ……ねぇ、ちょっと聞いていい?  
_@_
  ん?  
淡波 あなた
  ッ……  










  喉の奥から何度も出そうとしては辞めていた問い。

   いつも真実を知るのが怖くて,聞けなかった問い。












     でも今ならまだ、''間に合う殺さないで済むから''さ。














     ……お願いだから「YES」と答えて。































淡波 あなた
  もしかして、''6年前のあの日''……  
淡波 あなた
  私の両親を殺したのは…  
貴方とは違う悪魔
_@_
  ……ッ  









 ドクン……ドクンと,私の耳には鼓動しか届いてこない。










 どうして黙っているんだろう?その表情は一体どっち?

  そんな不安と緊張が……鼓動の音を更に大きくする。









_@_
  ……違うよ  
淡波 あなた
  えっ、じゃあ……!  










     やっぱりこの人とは''違う悪魔''が……!









_@_
  俺が君の両親を殺した  
淡波 あなた
  〜ッ……  










   その言葉を聞いた途端、声にもならない苦痛が

         私の胸を酷く引締める。










 ……ッ、あぁ、''違う''って……質問の答えだったんだ、

 …一人で勝手に期待して、なんて馬鹿らしいんだろう。









_@_
  俺が淡波の両親を殺したのは事実  
それがひっくり返ることは無い
淡波 あなた
  ……っ、はは、そう…なんだ  
そうだよね…ちょっと考えれば分かること…











   胸が苦しくて、もはや鼓動の音なんて聞こえない。










淡波 あなた
  じゃあやっぱり……私は__________  
































淡波 あなた
  アンタを殺すしかないんだね……ッ  







_@_
  ッ……!?  









   ポケットから取り出したナイフで、私の腕を切る。

    ポタポタと赤い血がナイフを伝っていった。









_@_
  っ!?淡波……!何して……  
早く止血しねぇと……っ!!!
淡波 あなた
  ははっ、自分の心配したら?  
_@_
  っ!?  









   傍から見たら異様な光景だけれど、コレで良い。

      これは、ただのナイフじゃない。










     真人さんから貰っていた''特別な呪具''。

           その効果は……








淡波 あなた
  対象者________'' 虎杖悠仁 ''。  
淡波 あなた
  術式______'' 発動開始 ''。  










 私がそう唱えた途端……私の血が電流の様に紅く光り、

         悪魔の元へ迫っていった。








































_@_
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