そう元気に呼んでくれる真結の声で目が覚めた…けど
目が覚めたら知らない場所にいた
なんか倉庫みたいな場所に
誘拐…?
とか考えてたら真結がこっちをずっと見てる
何事かと思い地面の水溜まりで顔を見ると…
本当に目が新しくできていた
しかも膿とかいう怪我も傷もない、本当に元からこんな目だったんじゃないかってくらい綺麗な“黄色い瞳”がそこには写ってた
真結は俺が嬉しさで水溜まりとにらめっこしてると思いニコニコしてる
“よかった”と言うのはまぁある意味事実だから満面の笑みで
と、応えた
それから2人で暫く話してると…
知らない人が入ってきた
俺は思わず相手を睨みつける
真結が珍しく吠える
急に大人の口調が荒くなる
当時の俺にはよくわからなかった
俺は安易な考えで頷く
真結の体にどれだけの負担が残ってるかも知らないのに…
俺真結の手を引く
そして約一年ぶりか、屋根の下で暮らせるようになった
けど問題は何個もあった
俺らにとっては難しい文字で沢山のことが書かれてる
まるで知らない国の言葉で文字が書いてあるんじゃないかってくらいに読めない
そうして俺はけいやくしょ?にサインした
でもここで暮らせば救われる…幸せになれる…
そんな甘い俺らの夢と期待は……
呆気なく
簡単に壊れて……
無くなった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!