第28話

頼人の目論み
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2021/03/22 13:24
次の日の朝


さくらは信長に呼ばれ軍議に参加していた。



(信長)「小国との争いはまだ続きそうか?秀吉」



(秀吉)「はい、向こう側はかなりの戦力を削られているのにも関わらずこちらに勝負をまた仕掛けるもようです」



(信長)「恐れ知らずで度胸があるやつらだ」



(秀吉)「只今、兵力を集め鍛練を積んでいます」



(信長)「うむ……さくら」



(さくら)『行きます!私を連れ行って下さい!』



(信長)「それでこそ、織田軍の光だ」



信長が軍議を閉めようとすると



(?)「その必要はない」



聞き覚えのない声が聞こえてきた。



(家康)「誰だ!」



(信長)「姿を現せ……貴様は何者だ!」



(?)「お望み通りに……」



そのとき……



ピカーッ!!



安土城の広間が眩い光に包まれ……




(さくら)『えっ?きゃあ!』



さくらは何者かに捕まれた感覚がした。
そして、光が収まるとそこには……
一人の男がさくらを捕らえていた。



(信長達)「!?」



(?)「俺の名は、頼人
この娘、ダイヤの巫女……いや、聖石の巫女の力と心を奪いに来た者だ」


(さくら)『力と心……まさか!?
私の部屋に矢文を放ったのも、信長様や謙信さんに黒い邪気を放ったのも……』



(頼人)「あぁ、全部俺だ」



(さくら)『許せない!』



(秀吉)「よくも、信長とさくらを……
この場で切り捨てる!!」



(頼人)「殺れるものなら……」



パチンッ!!



(信長達)「うぉ!!」



頼人が指を鳴らすと頼人とさくらを除く
武将達に重力がかかる。



(さくら)『信長様!みんな!』




(頼人)「抵抗するというのなら
お前たちの首を落とす」



(さくら)『そんな……』



(頼人)「さぁの聖石せいせきの巫女、選べ、俺とともに来るか、ここで武将達の首を落とされるか……」



(信長)「ならぬ!!」



(頼人)「抵抗するなと言ったよな?」



頼人は信長に短銃を向ける。



(さくら)『止めて!!行く、行くから
信長様達には手を出さないで!!』



(信長)「さくら……貴様」



(さくら)『信長様、私は大丈夫です
その代わり、帰ったらみんなでお花見がしたいです……織田軍と武田上杉軍のみんなで』



(信長)「貴様…」



(さくら)『だから、必ず、助けに来て……』




さくらはそれだけ告げると頼人に連れていかれてしまった。




さくらが振り返り際、涙を見せたのを信長は見逃さなかった。

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