翌朝。今日は昨日より起床が遅かった椎菜。まだベッドにおり、寝返りをすると洋平がスヤスヤ眠っている。
椎菜は音をあまりたてないようにリビングへ向かった。
リビングの机には、洋平が夜中まで調べていたであろうパソコンが、置いてあった。「何を調べていたんだろう」などは気にせずに、暗い画面のパソコンを閉じた。
テレビを付けると、バラエティ番組がやっていた。見覚えのある人がゲスト出演していた。
私を苦しめた人だ。
久しぶりに思い出すあの日。最近は思い出さなくなっていたのに。助けが全然来なくて、あの日が命日だと思った。
狂った人生はあの日から始まってたの?それよりも前から、あの人に会わなければ良かったの?
背後から洋平が椎菜を抱きしめ、「大丈夫」を何度も言う。
精神が不安定になることは、1年ぶり。ホストクラブに通い始める前、だったかな。何もかも上手くいかない。私の何がいけなかったんだろうって、悩みまくった。その時も、泣いてる私をよーくんは抱きしめてくれた。
よーくんの温もりを初めて感じた日だった。
数時間後、病院に到着し、診察を受けた椎菜。2週間の薬を処方してもらった。
数分後、イベントホールに到着した洋平。
洋平が頭を下げた。
今はまだ100%確信ではないけど、50%よりは上。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。