いつもなら踏み込まない夜の繁華街。
キラキラと光る昼間と一変した景色の中、
お決まりのセリフで声をかけられる。
_____「 死んだけどね 」
あれから1週間が経とうとしているが、
トランシーバーの会話以来ホークスから逃げている。
、、、人の恋路に口出せるほど
ニンゲンのこと知らないし。
ましてや恋心なんて。
いつもなら「 高校生です 」と答えるが、
此奴らに言っても面倒くさくなるだけだろう。
コイツらに構っていても退屈なだけ、
そう思いそそくさといなくなろうとした時
1人の男に腕を強めに握られ
嫌悪感で顔を歪ませる。
ニンゲンから触れられないようにすることは
できるが、此奴らが騒ぐと後が面倒くさい。
な?、と誘惑されるが、
これっぽっちも行動に理解ができない。
そもそも、初対面のJKと遊んで楽しいのだろうか。
"一目惚れ"
その甘い誘惑にピクリと体が反応する。
この人達の気持ちがわかれば、
ホークスのコイゴコロも___…。
簡単な話だ。
コイゴコロがわからないなら、
コイをしてるニンゲンから聞けばいい。
1人の男が私の腕を掴んで、
再度 強めに引っ張られる。
その時だった。
___アレが目に映ったのは。
宙に舞う無数の赤い羽根。
夜なのに今までで1番、鮮やかに見えるのは
夜の街が明るすぎるからだろうか。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!