そして、結局青奈ちゃんから私と当番が同じ人の情報をほとんど聞き出せずに、当番の日を迎えてしまった。
あれから何度も聞こうと思ったけれど、どれもうまく聞き出せずに、というかうまく青奈ちゃんにかわされてしまって、ちゃんとした情報を聞くことができなかった。
一つだけ教えてもらったのは、同じ当番なのは私の一個上の先輩であるということ。
内気な私は部活にも所属していないし先輩と関わったことはほとんどないので、
この時点で知らない人であるということはおおよそ確定していた。
最初だし先生が教えてくれるから大丈夫!とわかっていても、
ちがうベクトルでの不安が先程から押し寄せてきているのを感じていた。
青奈ちゃんが優しい提案をしてくれる。一体どこまで優しいんだろうか彼女は。
でも、いつまでも青奈ちゃんの優しさに甘えている訳には行かない。
青奈ちゃんは、引っ込み思案なわたしをいつもこうやって優しく支えてくれるんだ。
私もたまには自分一人で、ちゃんと自分のことを成し遂げないと。
たまには、っていうか、それを当たり前にしていかないと。
私は重い気持ち半分、前向きな気持ち半分で図書室へと向かった。
図書室にはまだ同じ当番の人は来ていないようで、司書の先生が1人、待ってくださっていた。
私とペアの当番の人について聞くなら今だろうか。とも思ったけれど、
どうせあと5分もしないうちに会えるのだ。
自分の目で確かめた方が早いだろう。
実は私、去年は保健委員をやっていました。
毎日健康観察したり何かと検診の時に声がかかったり大変で、来年以降はもうやらないと高一の夏には決めていた。
ちょうどそんな会話をしているときだった。
私と同じ当番の彼が現れたのは。
少しだけ息を切らしてやって来た彼が、おそらくもう1人の火曜の放課後担当の図書委員なのだろう。
私が席に着いていたカウンターの方へやって来て、椅子の後ろに自分のカバンを置く。
彼は自分の呼吸を軽く整えて、私の隣の席に座った。
というか、めっちゃイケメン。すごいイケメン。
こんな人同じ学校にいたんだ、気が付かなかった、、。
隣の先輩が落ち着いたのを見て、先生が話し始める。
分からないことがあったら隣のイケメンな先輩、いやさとみくん、いや先輩だからさとみさん??に尋ねよということらしい。
まともな返事を装ったつもりだけれど、内心全くまともではない。
わたしこんなイケメンとうまくコミュニケーション取れる自信が無いです、先生助けて。
仕事が初めてであることに加えて初回の委員会にも参加していなかった私は、そもそもの仕事時間が何時までなのかを把握していなかった。
それを今このタイミングで思い出した。
追試をやっていたなんて言ったら頭が悪いのかななんて思われそうで、変にプライドが働いて用事があったと濁してしまった。
数学の成績については気にしない性なのに。
元はと言えば数学赤点だった私の成績に非があるんだけどね。。。
変に濁した因果応報で、先生の無垢な優しさが少し刺さる。
話が終わると、先生は仕事があるからと、隣の司書室に戻ってしまった。
もともと青奈ちゃんと一緒にやるつもりだったからなにも気にしていなかったけれど、面識ない人と一緒だと、人がほとんど居ない図書室で2人きり、かなり気まづい。
最初に口を開いたのは先輩のほうだった。
なんで名前を…?と思ったけれど、さっき普通に先生が言っていたよね。
私もそれで彼はさとみさんというのか、と分かったし。
先輩がそう続ける。
わたしはただ、その後に続く言葉を待つ。
何を言い出すのか分からなくてかなり怖い。
キリが悪めですが2000字超えたので話数分けたくて切りました。
だってこの前700字もなかったのに……いきなり2000字て……












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!