しばらく、何も手につかなかった。
3日間大学に行かなかった。
今までの別れとは決定的に違った。
もう、本当に終わりなんだ。
俺が今までやってきたことはあなたを傷つけていただけで。
あれだけ、何度も喧嘩しながら、何度も仲直りをしてきたのに。
そんな中でも初めて聞いた、あなたの本音。
何でもっとちゃんと向き合わなかったんだろう。
あなたのことは、確かに愛していた。大切に想っていた。
だけど、心のどこかで、理解しきることを諦めていた気がする。
最後に、どうして何も言えなかったんだろう。
手を伸ばして、あなたに、伝えられることはあったはずなのに。
ちゃんと俺の気持ちを伝えて。
あなたを傷つけたことを後悔していると。
もう一度一緒にいようと。
そう言えたら、何か変わっていたんだろうか。
「…っ…あなた…」
あなたの笑顔を思い出す。
何も手につかず、気づいたら気を失うように眠り、目が覚めて絶望する。
もう、隣にあなたはいない。
そんな現実に、絶望するんだ。
“ピンポーン”
インターホンが鳴った。
来客の予定も、荷物が届く予定もない。
「…あなた…っ」
俺は縋るように玄関を開けた。
「…っ、よっ。」
片手を挙げて立っていたのは、幼馴染の北斗だった。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。