マンションの部屋の前まで来てくるっと振り返る。
ドヨンさんも自分の部屋の前で同じようにこちらを振り返っていた。
ニコッと微笑んで部屋の中へ入っていく。
あなたも微笑み返すと、部屋の中へ入ろうとした。と、
続いて部屋に入ろうとしたチソン君も一緒に振り返る。
「そんだけです。じゃㅎ」と、今度こそ部屋の中へ入っていった。
さっきの私の「え」は、ドヨンさんの発言に対してじゃなくて、チソン君の「え?」に対して。
なんでチソンくんが反応するの?と思わず声が出てしまった。
そのまま部屋の中へ入って、コートを脱いだりお湯を沸かしたりしていると、チソン君が何か探るように顔をチラチラと見てくる。
と、恥ずかしそうに目線を逸らして言うものだから可愛かった。
側までよって頭をよしよしと撫でる。
なんだか泣きそうになるくらいいい子だな
さっきまで雪を被っていたからか、髪の毛がちょっと冷たい。
それがさらに愛しさを倍増させる。
頭を撫でていた手を掴まれて、ゆっくり下に下ろされる。
あ、、
やばい過度な接触すぎたか、、
弟と同じ距離感で接してしまった、嫌だったよねこれ、
えーと?
チソンくんは顔を真っ赤にしながらこちらを真っ直ぐ見つめてくる。
握られた腕が少し震えていて、力が強くてちょっと痛いくらいだ。
なんで、そんなこと言うんだろう。
私が、ドヨンさんとご飯、、
というか、
チソン君以外の男の人とご飯行くの、嫌なの?
チソン君が?
なんで、顔赤いの
って、
まさか
いや、まさかそんなわけ
とやっと口を開いたところでチソンくんがハッとしたように手を離す。
ババっと後ろに下がって、顔を横にそらされた。
首筋、赤い。
表情は、、顔見せてくれないから分からない。
と勢いよく回れ右をすると、チソンくんはパタパタとリビングを出ていってしまった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。