美術室は校舎が違うので、まずは一旦外に出てから向かった方が早い____
__なんだけど。
⋯⋯帰って、しまおうか。
私は今外に居るんだ。美術部は強制参加とかじゃないし、提出もやりたい人だけで良い。
帰れば、帰ってしまえば楽だ。
帰ろう。
帰ったら、帰ったらスマホ見よう。そうだよ。もしかしたらさ、あっちでは伸びてるかも知れないからさ。
ね、ほら私は部活に毎日参加するような良い子じゃ__
⋯⋯あーあ。こんなところで優等生なんかやらなくても良いのに。馬鹿じゃないの、詩音。
⋯⋯まだ綺羅と百合佳は居ない。
けど、もう来ちゃうんだろうな。
⋯⋯駄目だ。ときちに嫉妬してどうする。
綺羅達も来てしまった。
⋯⋯⋯⋯え?
なんで。なんで?
⋯⋯どうして?
めんどくさい、そんなんで綺羅は⋯⋯⋯⋯__
嫌だ。なんで?なんでみんなに見せなきゃいけないの?
なんで?
あれ、何も言われな____
⋯⋯それは、どういう意味?
何、それ。
どういう、こと?
ぽくない、とかさ。まあいい、とかさぁ。
なに?
⋯⋯百合佳、すごい。
絵はリアルなのに、ちゃんと百合佳の絵柄だ。
唯一無二、色合いも綺麗。構図だって、私には浮かばないようなものばっかり。
⋯⋯なに、嫌味?皮肉?
⋯⋯⋯⋯あーあ、これだから。
_____視界から、ひとつ色が喪われた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!