─3日前
手元にある部品を無造作にぐちゃぐちゃにした
そして机の隅に置かれているナイフに視線を注ぐ
さすがに一ヶ月以内に拳銃を製造することは無茶だと
あの腹黒男でも理解しているらしい
祓い家の息子が渡すものだ
通用はするのだろう
しかし、刺した時に感じる感触は
人間と変わらないのだろうか
あるいは何も感じないのだろうか
…人を刺す感触など知りたくない
急いでトイレを飛び出した私は行くあてもなく
先輩に見つかりたくない一心で走り出した
実は
一ヶ月以内に七番を殺す
というミッションを与えられた時以来
先輩には会っていない
自分の意思が
固まっていない状態で会いたくないからだ
とりあえず校舎の外へ出てきたが
ここからの策が思いつかない
隠れられる場所を探し回っていると
校舎の裏へと抜けられる小道を見つけることが出来た
すぐさま小道に入り
カニ歩きで進んでいく
グイッ
七番は、
小道の途中途中ではみ出ている校舎の柱の影に隠れていた
私を引き寄せたまま
七番は言葉を続ける
『仲間』
という
七番の言葉に
思わず口をつぐんでしまう
そんな私を見て、
七番は小道の奥を指差しながら
と手招きした
私が自分都合で逃げているだけだ
会ったからといって
特別何かが起こることはないだろう
軽口を叩きながら
二人並んで石段に座った
逃亡中とは思えないくらい空気は穏やかだった
・
・
・
鋭い質問に
心臓が縮み上がる
適当に言って誤魔化そう
ふざけんな、と言い
七番の頭を軽く小突く
ケラケラと七番は笑った
─ふと
こいつは私のことをどう思っているんだろう
なんていう
質問が思い浮かんだ
面倒臭い質問だな、と我ながら思う
ただ
冗談を言って、楽しそうに笑っているこいつを見たら
そんな疑問を抱かずにはいられなかった
不思議と
この質問を投げかけようか投げかけないか
迷わなかった
所詮怪異だ
私たち人間に情をかけられないことくらい
分かっていたはずだろ
なのに
期待なんかして
自分の
甘さが嫌になる
頭の中でぐるぐると考えを巡らしているうちに
まるで合図のように
プツッと何かが切れた音がした
バッ
胸ぐらを掴み、目を逸らさぬまま、ぐっと顔を近づけた
顔を傾かせ
唇が触れそうな距離まで顔を寄せる
間も無くして
七番の口から
真っ赤な液体が流れ出た













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。