「透明な鏡」
パリン、とガラスが割れる音が聞こえた。
ポタポタと涙がこぼれ落ちる。
目の前にいるあなたは、驚愕した表情を見せた。
思い出ださないでよ……やめてよ……と心の声が聞こえてきた気がした。
どうしてそうなるのか、僕は知っていた。
悪魔と契約を交わしているから。
それが僕たちを助ける為の選択だってことも。
また会いたいと願ったウィットの思いってことも。
でも……
前世の僕らを、今世に持ち込んじゃいけない。
だから、冷たく突き放さないと行けないんだ。
手に持っていた透明な鏡を割った。
パリン、と。
それが最後の鏡の欠片で、粉々に砕け散った。
僕らの絆は、永遠。
そう、誰かが言った。
いつにも増して真剣な表情で言うカゲツ。
俺の思いも、絆も。
笑いに包まれた空間の中ですらも、彼は1度も笑わなかった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。