第11話

「ペンタス」
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2025/08/13 05:38 更新

どうしてもどちらの鏡も割ることは出来なくて、呆然と立ちつくす。
黒い鏡を割った方がいいのは分かってはいるが、なぜか割ってはいけない。と直感で感じている。だからこそ、僕は割る判断には至れなかった。

ふと、ガラスの床に目を落とす。
そこからは、過去の僕らの会話が聞こえてきた。
ウォルフ
ペンタス〜?クッキー食べたいなぁ、俺
.ペンタス
……誰かそれ好きやったよな…?
てかそれ僕も食べたい!!ルマオ作って!
ルマオ
なんで俺が作らなあかんねん笑
お前ら買ってこいよ〜
.ペンタス
えー、めんどくさいわぁ……

なんて事ないただの日常のお話。


だけど、僕にはとてつもなく虚しい会話に聞こえた。


辺りの景色は移り変わって、灰色の背景にペンタスとウィットがいる。
ただし、ペンタスの姿形は、透けていて真っ黒になっていた。
.ウィットネス
……嫌だよ、みんな……
「死んじゃ嫌……」

弱々しい声で、ウィットは呟く。
ペンタスとウィットネスが見える、とは言ったものの、周りには倒れているウォルフと、今にも命の灯火が消えそうなアウィンがいた。
服がおそらく血で真っ赤になっており、息が浅い。
景色が灰色なせいで、赤いのかどうかもよく分からない。

僕の体が勝手に動く。
僕の意思じゃないのに。視界も、急にウィットネスの方を向いた。
 
.ウィットネス
……Sacrificewish

ごめんね、みんな……。

そう呟きながらウィットネスは禁断の魔法を使う。
.ペンタス
ま……ッだめだ、だめだよウィット…!!

そう大きな声で呼びかけるも、聞こえる素振りのない姿に僕は気づいた。

「死んでる」んだ、僕も。

1つ目の契約は、2つ目の契約は、3つ目の契約は。

そう淡々と言っていくウィットを、僕は見ていることしか出来なかった。
悪魔が何を言っているのか、ザザーッと音が邪魔をしてききとれない。
.ウィットネス
4つ目の契約は「もし友情とは何かを証明できたら、俺の存在を消し去る」
信じられない言葉を聞いた。
それと同時に、僕の体は勝手に動いて言葉を発する。
.ペンタス
ペンタスは願う。

意識は暗転し、目の前の黒い鏡からスピーカーのようにして音声が流れる。

ペンタス
僕ら9人の思い出は、色褪せず消えない。


そしてもう一度頭に語りかけられる。
「お前はどちらの鏡を割るんだ?」




その問いに、僕は行動で示した。
.叢雲カゲツ
僕が割るのは……



パリン、とガラスが割れる音がする。

アンケート

どちらを割る?
透明な鏡(ハッピーエンドルート)
59%
真っ黒な鏡(バッドエンドルート)
41%
投票数: 1133票

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