あっちの、俺らがヒーローとして生活していた世界は、最後に見た風景と大きく様変わりしていた。
辺り1面焼け焦土と化し、大地を踏みしめる度に感じる、「灰」「灰」「灰」……。
"守れなかったんだ"
そうリトが悲しくつぶやく。
街を守れなかったのは、俺のせいだし
そう言い放って灰の世界に姿を消していった。
…誰も、止められないまま。
ねえ、とカゲツが俺に声をかけてくる。
周りはどこも建物が崩れ去って見渡す際の障害となる壁はなにもないのに。
ライの姿はどこにも見えなかった。
情報棟は名前の通り情報を集めて見たり、一般の人達に情報の公開を行う棟だ。
人の出入りも多くて真っ先に潰されていると思ってはいたのだが……
結界に手を添え、誰の魔力かを感知しようと試みる。
わっかんないな……魔力がぼやけて誰のかさっぱりわかんない。
オレは、ずっと見てたはずなんだけどな……
そう言って涙を流すライの姿に、「アルチザン」の姿が重なって見えた気がした。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。