第7話

まだ見たことが無い君へ
522
2023/06/16 15:48 更新
きなこ視点
夏輝時雨
じゃ、ぽっぽ行ってくるね
きなこ
ん、いってらっしゃい!
彼女は毎年8月から10月末まで毎週どこかへ出かけている。最初は浮気とか思ってたけど毎年8月から10
月にデートに行くとか普通考えられないし普段俺に甘えたな彼女がそんなことするわけなんてなかった。

それに・・・












毎年この時期になると時折彼女は暗い顔をすることがある。アンチを受けているとかそうゆうわけではなさそうだった。
きなこ
(試しに後ろつけてみようかな)
そんな好奇心で早速出かける準備をした
時雨視点
夏輝時雨
琴音。今週もきたよ。
そう、私は毎年この時期になると中学校の頃に仲の良かった親友・・・琴音の墓を訪れていた。


















琴音は、中学校の頃にいじめられていた。そんな琴音はいじめっ子を階段から誤って突き落としてしまった。幸い死に至らなかったが、脳に少し障害を負ってしまったようだ。いじめっ子を階段から誤って突き落としてしまった次の日の夜、琴音は学校の屋上で自殺した。




















私は、近くの自販機にジュース買いに行ってる時に、その光景を目の当たりにしてしまった
それ以来、雨の日が嫌いになった。琴音が死んだのは、雨が降っていた夜だったから。
きっと琴音はいじめられさえしなければ今も幸せに生きていたかもしれない。あの時私がもっと琴音に手を差し伸べていたら。そう考えると後悔と自分の無力さに涙が出てくる。
ふいに、私はある事が浮かんだ。
夏輝時雨
私は・・・幸せになって・・・良かったのかな・・・
きなこ視点
きなこ
(あれ?ここの方向って確かお墓だったような・・・)
俺は好奇心から時雨の跡をつけた。すると時雨はお墓がある方向に足を運んだ。
夏輝時雨
琴音。今週もきたよ。
琴音・・・もしかして妹・・・?いや、時雨には妹がいないって言ってたから違う・・・じゃあ一体誰のお墓なのだろう


そんな思考をグルグルさせていたら不意に彼女が呟いた
夏輝時雨
私は・・・幸せになって・・・良かったのかな・・・
彼女は泣きながら呟いた。
きなこ
(どうしてそんなこと言うの・・・?)
夏輝時雨
私の・・・せいで・・・
夏輝時雨
私のせいで・・・私がもっと・・・あんたに手を差し伸べたら・・・あんたは自殺なんてすること無かったのに・・・
きなこ
ッ・・・!
夏輝時雨
あんたがいじめられなければ・・・あんたは今も幸せに生きていたのかもしれない・・・
夏輝時雨
全部、私のせいだ・・・
夏輝時雨
私が手を差し伸べなかったから・・・私があいつらを止めなかったから・・・
夏輝時雨
私が・・・あんたを見捨てるようなことしたから・・・
夏輝時雨
ほんと、バカみたい。
夏輝時雨
あいつらに目をつけられたくなかったから・・・ただ傍観することしか出来なかった私が・・・なんで今幸せになってるんだろ・・・w
夏輝時雨
あんたじゃなくて・・・私が死ねば良かったのかな・・・
彼女のその一言に俺は胸がチクリとした
きなこ
(一度家に帰ろう・・・)
そして俺は家に帰った
夏輝時雨
・・・?
数分後
夏輝時雨
ただいま〜!
家を出る前と同じくらいの声音で彼女は帰ってきた
きなこ
おかえり。外暑かったでしょ?
きなこ
アイス買ってきたから食べな
夏輝時雨
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
きなこ
ッ///
俺は改めて思う

目ががキラキラしたような彼女の表情が好きだ。

些細なことではしゃぎ、無邪気に笑う彼女が好きだ。

時々俺に甘えてくる、そんな可愛い彼女が好きだ。



だからこそ、俺は時雨を手離したくない。

きなこ
時雨
夏輝時雨
ん?
きなこ
おいで?
夏輝時雨
うん
俺は時雨を抱きしめる。
きなこ
俺は時雨を手離したりなんてしない。時雨から離れたりしない。
きなこ
だから・・・
きなこ
時雨も、俺から離れないで・・・俺は時雨のこと愛してる。
きなこ
だからすぐに死ぬなんて選択、取らないで。
夏輝時雨
ッ・・・!?
夏輝時雨
・・・うん!
夏輝時雨
ぽっぽ大好き!
きなこ
俺は愛してるよ。
夏輝時雨
ッ///
しばらくして、彼女は寝た
きなこ
(俺も行こうかな。)
俺は琴音さんのお墓の前に立っていた
きなこ
君の身に何が起こったのか知らないけど・・・
きなこ
俺は何があっても時雨のそばから離れないし、時雨のことを絶対に幸せにする
きなこ
約束するよ。
俺はそれだけを言い残して花を添えた
きなこ
じゃあね。まだ見たことがない君へ。

プリ小説オーディオドラマ