ぽり、
テーブルの上のポテトチップを食べながら、既に4缶目のお酒を飲み終えた。
あの歌番組で涙を流した日から1ヶ月近く経つ。
あまりにカッコ良すぎて、
ちょっと前まで私の隣にいて騒いでいた彼等が、改めてアイドルなんだと再認識して、身の程も知らずに惨めな気持ちになった。
全然遠い人じゃん。
かっこいい人達。
その場にいた可愛い子達は彼等に夢中。
私なんか気まぐれに相手にされただけ…
馬鹿みたいに喜んで、結局あの日身分の差を思い知らされた感じ。
宅飲みするとお酒が回りやすいのなんでだろ。
壁に映るプロジェクターからはリノの笑顔が映ってる。Youthのリノ、アイドルみ強いし可愛いし最高なんだよな…
ぼーっと眺めていると、
玄関のインターホンが鳴った。
少し恐怖を感じながらカメラを覗くと、帽子を深々と被った青年が1人。
ガチャリとドアを開けると、
少し顔を強張らせながらも笑顔になるリクスだった。
流れで玄関に上げると、
深くがぶっていたキャップを脱いで、マスクをとった。
なにそれ…
またそんな顔でそんな事言って…
なんて言えなくて、
そういえばカバン返してないしなって。
部屋に上がってもらうことにした。
カバンを持って戻ると、
差し入れだよってコンビニの袋パンパンのお酒とお菓子をもらった。
リクスはちらりとプロジェクターから映るリノの姿を見る。
やば。
かけっぱなしだった…
カバンを受け取ったリクスは、
そう質問しながらも苦笑いしてた。
それからしばらく、お酒を飲みながらリクスの質問攻撃を受けていた。
最近何してたの?
どっか行ってたの?
彼氏できちゃった?
僕らのこと嫌いになった?
お酒が入るにつれて、リクスの声がどんどん低くなって、質問も踏み込んだ内容になっていった。
スマホにカトクの画面を出して渡す。
ガバッと抱きつかれて、心臓が跳ね上がる。
わぁ…男の人だ、なんて変なこと考えてしまう。
なんなのこの人はっ!!!
私はグビッとお酒を体に流し入れた。
熱くてたまらない。
頬はきっと真っ赤だし、変な汗まで出て来る。
寝室へ行ってキャミソールの上に着ていたパーカーを脱ぐ。長ズボンからジャージ仕様のショートパンツに履き替えて、暑さから解放されると、涼しくて気持ちよかった。
リビングに戻ると、口をあんぐり開けたリクスがこちらを見ている。
私は自分が招いた事態を理解していなかった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!