第41話

桐山照史
524
2021/09/11 07:21
あなた

照史お兄ちゃん?

桐山照史
桐山照史
ん?
あなた

起きてる?

桐山照史
桐山照史
起きてるで。
あなた

先に寝ないでね。

桐山照史
桐山照史
ねーへんよ。


後ろから抱きしめてくれるけど、



なかなか眠れない…



目を閉じると、



ドンドンドン! ドンドンドン!



ドアを叩く音が聞こえてきて。



その度に身体が硬直し、



怖くて目を開けてしまう…



照史お兄ちゃんはその度に、



ギュッと強く抱きしめてくれるけど…

桐山照史
桐山照史
眠れんか?
あなた

うん…
目閉じるとね、ドアの音が聞こえてくるんだ。

桐山照史
桐山照史
じゃ…
歌でも歌うか?
あなた

歌?笑

桐山照史
桐山照史
俺が、ずっと、あなたの耳元で…
ンーンンー♪ンーンンー♪ンーンンンンン…


鼻歌で子守唄を歌ってくれた。



それを聞きながら目を閉じる。



ドアの音も子守唄には勝てないようで、



いつの間にか、眠っていた。



目を開けると朝だった。



頭がぼーっとして、布団から出られない。



隣にいたはずの照史お兄ちゃんがいない。



すると、部屋に向かってくる足音…



とっさに私は目を閉じた。



照史お兄ちゃんはそのまま私の横に座ると、



頬に手を乗せ、優しく撫でた。



桐山照史
桐山照史
俺が、一生守っていくからな。

と…



その言葉が嬉しすぎて…



笑ってしまう。

桐山照史
桐山照史
えっ!?起きてる!?
あなた

うん…
今のって、プロポーズだよね。
一生って言ってた笑

桐山照史
桐山照史
あなたかて、昨日言ってたで!
死ぬまで俺とおるって!
あなた

言ったっけ?
覚えとらん。

桐山照史
桐山照史
うっわ!寝たふりとかサイテー!
あなた

一生守ってくれんだ…嬉し!!

桐山照史
桐山照史
守るでーずっとー!!

と勢いよく布団に入ってきて、



私をギューっと抱きしめた。

桐山照史
桐山照史
もう大丈夫か?
あなた

うん!

桐山照史
桐山照史
今日デートやろ?
どこ行きたい?
あなた

んー…

桐山照史
桐山照史
ん?
あなた

布団の中!!

桐山照史
桐山照史
なんやそれ!笑
あなた

だって幸せなんだもん!

桐山照史
桐山照史
なんやとー!!


布団の中でくすぐられる…

あなた

キャー!!!笑

あなた

あー!もう!!
お腹空いた!ご飯食べる!

桐山照史
桐山照史
朝ごはん、ちゃんと食べるようになったんやなぁ。
あなた

うん!
朝食べないとダメな身体になりました。

桐山照史
桐山照史
俺のせいやな!
あなた

嬉しそ!

桐山照史
桐山照史
どする?昨日の食べ損ねた生姜焼きでも食べる?
あなた

うん!私が焼く!!


顔を洗ってキッチンへ行こうとした時、



玄関が目に入った。



昨日の事が蘇る。



すると、手が震えだし、



心臓がバクバクしてきた。



頭では、もう大丈夫って思ってるのに、



身体が反応してしまう…

あなた

ふぅぅぅぅ…


深呼吸をする。


桐山照史
桐山照史
どした?大丈夫か?
あなた

うん!全然大丈夫!
さっ、ご飯、ご飯!!

桐山照史
桐山照史
無理せんで、座っとき!
あなた

えっ!?大丈夫だよ!
本当に。


すると、私の手を取り、

桐山照史
桐山照史
震えてるやん…
あなた

頭では大丈夫って思ってるのに…

桐山照史
桐山照史
今日は出かけないで、
家でゆっくりしよ。
あなた

やだ!

桐山照史
桐山照史
心配や!あかん!
あなた

行きたいとこがあったのに…

桐山照史
桐山照史
どこ?
あなた

レインボーカフェ…

桐山照史
桐山照史
レインボーカフェ!?
あなた

うん!ランチ食べ行こ!

桐山照史
桐山照史
それなら…ええか!!
あなた

うん!

桐山照史
桐山照史
じゃ、とりあえず朝ごはんは俺が作るから、あなたは座ってなさい。
あなた

はい…


朝ごはんを食べた後、



食器を洗っていると、



瞳さんから電話が来た。

宮澤 瞳
もしもし、あなたちゃん?
あなた

はい、おはようございます。

宮澤 瞳
おはよ。
昨日は大丈夫だった?
照史の元カノ。
あなた

はい…

宮澤 瞳
昨日ね、旦那さんが迎えに来て泊まらず帰ったんだけど、彼女手に包帯巻いてて…なんかあったのかなって。
あなた

あっ…


きっとガラスを割った時に怪我したんだ…

あなた

あの…えっと…

桐山照史
桐山照史
変わろか?

照史お兄ちゃんが電話に出た。

桐山照史
桐山照史
瞳姉さん?おはようございます。
昨日はすんませんでした。
俺から話してもいいですか?

と、話しながら部屋を出て行った。



千佳さん、昨日帰ったんだ…



よかった…



心の底からホッとした。



しばらくすると、照史お兄ちゃんが戻ってきて、

桐山照史
桐山照史
瞳姉さんが話したいって。
あなた

もしもし、変わりました。

宮澤 瞳
あなたちゃん、大変だったね。
照史から聞いた。
あなた

心配おかけします。
でも、もう大丈夫なんで。

宮澤 瞳
いや、大丈夫なわけないよ。
ひとりで怖かったでしょ?
あなた

………

宮澤 瞳
しばらく落ち着くまで仕事は休んでいいから。
あなた

えっ…

宮澤 瞳
照史の側で元気もらって!
それから来てください!
あなた

でも…

宮澤 瞳
ゆっくり休んでね。
あなた

すみません…
ありがとうございます。

宮澤 瞳
あなたちゃん、
あなた

はい…

宮澤 瞳
いい男に捕まったね!
あなた

えっ?笑

宮澤 瞳
羨まし!
じゃ、出社できるようになったら連絡してね。
あなた

ご迷惑おかけします…

宮澤 瞳
いんだよ!復帰したらその分働いてもらうから。
あなた

はい笑

宮澤 瞳
じゃ、またね。
あなた

はい!失礼します。


瞳さんの優しさに泣きそうになる。



私は本当に幸せ者だ。

桐山照史
桐山照史
どした?
あなた

ううん!

桐山照史
桐山照史
なんやって?
あなた

落ち着くまで、いい男の側で休めって。

桐山照史
桐山照史
いい男かぁ〜照れるなぁ…
あなた

………

桐山照史
桐山照史
なに?またなんか言いたそうな顔して笑
あなた

うん…
本当に、いい男だなって思って。

桐山照史
桐山照史
えっ!?うわっ、ほんま?
照れるわぁ…
あなた

照史お兄ちゃんは、超絶いい男だよ。

桐山照史
桐山照史
おい!やーめてって言ってるやろ?笑
あなた

たぶんね…

桐山照史
桐山照史
おいっ!!!
あなた

さっ、洗い物しよ!笑

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