第42話

桐山照史
506
2021/09/12 11:01
きぃ君
いらっしゃいませー!
って、照史くん!?
あなた

こんにちわ!

きぃ君
まゆちゃん!?
桐山照史
桐山照史
昨日はありがとな。
きぃ君
いえいえ。
どうしたんですか!?
桐山照史
桐山照史
あなたがな、久しぶりに来たいって。
あなた

ランチ食べに来ました!

きぃ君
ではでは2名さま、ご案内します。

窓側の席に通される。

桐山照史
桐山照史
いつもカウンターやから新鮮やわ。
あなた

そだね。

蓮 父
照史、あなたちゃん、久しぶり!
元気だったか?

お水を持って、蓮くんのお父さんがやってきた。

桐山照史
桐山照史
元気や。おじさんも元気そうやな。
蓮 父
そうだな。
最近ジムに通ってるからな。
桐山照史
桐山照史
そうなん!?
そういえば少ししまったなぁ。
蓮 父
だろ?5キロ痩せたんだよ。
桐山照史
桐山照史
ええやん!健康のためにも。なぁ!
あなた

うん!すっごくいいと思います!

蓮 父
あなたちゃんも、料理頑張ってるんだろ?
あなた

はい!きぃ君のおかげで料理ができるようになりました!

蓮 父
きぃ君は優しいからな。
あなた

そうなんですよ。どこかの誰かとは違って、とぉーっても優しかったです!

桐山照史
桐山照史
なんやそれ!
俺が優しくないみたいやな!
あなた

バレた?笑

蓮 父
仲いいなぁ。
でも遠距離だろ?いつ戻ってくんだ?
桐山照史
桐山照史
んー…今年の夏にはやりたいなぁ、民宿。
蓮 父
そうか!?戻ってくんのか!!
きぃ君
マジすか!?よかったな、あなたちゃん!

おすすめのメニューを持って、



きぃ君がやってきた。
あなた

はい!

蓮 父
きぃ君とちょうど入れ替わりかな。
桐山照史
桐山照史
ん?
蓮 父
きぃ君、今月いっぱいで東京戻るんだよ。
桐山照史
桐山照史
そうなん!?
きぃ君
はい…5月からお店オープンします!
桐山照史
桐山照史
ほんまか!?よかったなぁ。
きぃ君
ありがとうございます!
本当、照史君のおかげです!
桐山照史
桐山照史
いや、俺なんもしてへんよ…
きぃ君
いや、まじで感謝してます!
だから、遊びに来てくださいね!
で、約束通り、俺のギターで1曲。
桐山照史
桐山照史
そんな約束もあったなぁ。
きぃ君
よろしくお願いします。
桐山照史
桐山照史
はい、こちらこそ。
ほんまおめでと。
蓮 父
寂しくなるけどなぁ。
桐山照史
桐山照史
そやな…でも、これからやで。
これからが大変や。
きぃ君
はい!頑張ります!
で、早速なんですけど、これ!
俺が考えた創作メニューで、よかったらどうですか?
桐山照史
桐山照史
よっしゃ、これにしよ!
あなたもこれでええか?
あなた

うん!きぃ君の料理はどれも美味しいもんね!

桐山照史
桐山照史
へぇ…俺も是非食べたいわぁ。
きぃ君
では、おすすめを2つで。
蓮 父
ごゆっくり。
あとでママも来るから会っていってな。
桐山照史
桐山照史
もちろん。

2人は厨房へ行ってしまった。

あなた

きぃ君すごいよね。

桐山照史
桐山照史
オープンしたら一緒に行こか。
あなた

お店の名前、レインボーカフェっていうんだって。

桐山照史
桐山照史
知ってたん?店出すの。
あなた

うん。昨日聞いた。

桐山照史
桐山照史
そうなん。
あなた

うん…

桐山照史
桐山照史
きぃ君には何教えてもらったの?
あなた

ハンバーグとか、野菜炒めとか、あと、唐揚げも。もう本当いろいろ?

桐山照史
桐山照史
へぇ…
あなた

何?どしたの?

桐山照史
桐山照史
ええけど、全然ええけどな、
俺のレシピも、覚えてな。
あなた

え?どーゆーこと?

桐山照史
桐山照史
やから…俺の味を覚えろって事や。
あなた

そんなの…当たり前でしょ?

桐山照史
桐山照史
………
あなた

教えてね!

桐山照史
桐山照史
おん…
あなた

ねぇ。

桐山照史
桐山照史
ん?
あなた

もしかして、ちょっと妬いてる?笑

桐山照史
桐山照史
はぁ?
あなた

きぃ君に。

桐山照史
桐山照史
妬かへんわ。
あなた

ふーん…ならいーけど。


明らかに不機嫌になってるし。



本当、わかりやす。



でも、そんな照史お兄ちゃんも好き。



かわいいなって思える…



人を好きになるって、



恐ろしい…

きぃ君
お待たせしました!
おすすめ2つです!
あなた

うわっ!美味しそう!

桐山照史
桐山照史
ほんまやなぁ!
きぃ君
これ、看板メニューにしようかと思ってて…だからなんかあったら遠慮なく言ってください!
あなた

いただきます!

桐山照史
桐山照史
いただきます!
きぃ君
どうぞ!
あなた

んっ!!美味しい!!

桐山照史
桐山照史
うん!美味いわ!!ほんまに美味い!
きぃ君
まじスカ!?よっしゃ!!
今いろいろメニュー考えてて…
よかったらまたお願いします!
桐山照史
桐山照史
おん!頑張ってな。
きぃ君
はい!
あなた

頑張ってください!

きぃ君
ありがと!
では、ごゆっくり!

嬉しそうに、きぃ君は戻っていった。

桐山照史
桐山照史
これ、ほんま美味いなぁ。
あなた

でしょ!?きぃ君の料理で美味しくなかったのないもん。ずっと、飲食店で働いてたんだって。いくつか掛け持ちしてて…

桐山照史
桐山照史
知ってる。
あなた

あっ…そっか…

桐山照史
桐山照史
あなた…あかん…
あなた

えっ?

桐山照史
桐山照史
俺、ヤキモチ妬いてるわ。
あなた

えっ笑

桐山照史
桐山照史
ヤキモチっていうかな、なんやろ…料理人として悔しいわ。やから、明日からハンバーグと野菜炒めと唐揚げやったっけ?作るから。
あなた

えっ!?

桐山照史
桐山照史
覚えてな!
あなた

いいけど…そんな食べられないから、ちょっと…

桐山照史
桐山照史
じゃ、帰り、買い物して帰ろな!

完全にスイッチが入ってしまって…



私の声は聞こえてないようだ…

食事が終わってコーヒーを飲んでいると、

蓮 母
あら!2人とも!久しぶりねぇ。

蓮くんのお母さんがやってきた。

桐山照史
桐山照史
久しぶり!
あなた

お久しぶりです!

蓮 母
ほんと、お似合いねぇ。
桐山照史
桐山照史
そう?
蓮 母
うん。照史は今いくつだっけ?
桐山照史
桐山照史
31。今年32や。
蓮 母
あら!もうそんな歳!?
早いわねぇ。
じゃ、そろそろね、ちゃんとしないと。
桐山照史
桐山照史
そやな。
蓮 母
あなたちゃん、照史の事よろしくね。

そう言って笑った顔が蓮くんそっくりで。



そこに蓮くんがいるような気がして。



持ってきた赤いシーグラスを握りしめた。



夢叶えようね、3人で。

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