駆想は、幼い時から暴力を受けていました
バチン"ッ!!
ドガッ!!
毎日毎日、お父様とお母様から暴力を受けていました
苦しくて、苦しくて…
でもそんな時には愛にぃがいつも傍で支えてくれました
愛にぃはいつも、駆想のことを想ってくれました
本当に優しくて、愛されていると感じました
けど、
…駆想は、怖くて、動けませんでした
愛にぃが度々夜中に叫び声をあげているのを、
ただ、自室から聞いている他、ありませんでした
愛にぃと一緒に家出をした後も…
テクテクテク…
愛にぃの背中を見るだけで、
駆想は、何もできませんでした
…たぶん、危ないことをしてるんだということは、
愛にぃの首元に咲く花が、教えてくれました
率直に言うと、寂しかったです
愛にぃが、苦しみながら笑うあの顔を
見たく、ありませんでした…
けど、駆想は弱いから
手を伸ばしても、愛にぃには、届きませんでした
…"寂しい"なんて弱音、
頑張っている愛にぃの前で、言えませんでした
愛にぃのほうが、苦しいに決まっていますから
駆想は、我慢すればいい
駆想が弱音を吐いたら、
表面張力いっぱいまで積もった愛にぃの苦しみが
ぼろぼろと、崩れ落ちてしまう気がしたので
愛にぃが壊れないように、駆想は本音を隠しました
本当は、パパ活なんてして欲しくなかったんです…
殺して、ください
殺してください
みんなの元に、行かせてください
楽に、させてくださいッ…
俺は、愛にぃが全てです
みんなが居てくれたから愛にぃが死んでからも少しはマシでしたが
もう、みんなは、いない……
なら、殺して、ください
楽に…して………
…これで、楽になれるんだね
バンッ…
パリンッ__












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。