第22話

 #020 悩みの伝染
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2026/02/24 09:00 更新
 

  今日は委員会があった。



  小豆沢も用事があったようで
  練習は休みだった。



  家に帰ってきても、少し物足りない気分だ。



  俺にとって歌は大切な物で
  1日練習しなかっただけで心がざわつく。



青柳 冬弥 .
青柳 冬弥 .
 (こんな風に思えるように
 なったのも彰人のおかげだな) 




  彰人。俺の大事な相棒。


  歌を辞めようとしていた俺を
  説得して留めてくれた恩人。



  彰人のおかげで本当にしたい事を見つけられ
  優しい仲間達にも出会えた。



  だからこそ。



青柳 冬弥 .
青柳 冬弥 .
 だからこそ
 今度は俺が彰人を助けたい 



  最近の彰人は暗い顔をしている。



  何か困っていることがあれば
  一緒に解決策を探し出したい、のだが。


 東雲 彰人 .
 東雲 彰人 .
 悩み事? ねーよ 
 東雲 彰人 .
 東雲 彰人 .
 心配してくれてありがとな 


  いつもこんな感じで
  はぐらかされてしまうのだ。



  絶対に何かあるはずなのに。


青柳 冬弥 .
青柳 冬弥 .
 (ミク達にも相談してみるか⋯⋯?) 




  だが、彰人が事を大きくしたくない
  と思っているなら⋯⋯。

  そもそもの話、
  1人で解決したがっているとしたら。



  そんなことを俺も悶々と考え
  結局何も出来ずにいるのだ。


  アクションを起こした方がいい、
  という事は分かっているのだが。


青柳 冬弥 .
青柳 冬弥 .
 セカイ⋯⋯ 



  スマートフォンを握りしめる。


  手遅れになるのは嫌だ。





  ふと、スマホがぼんやりと光った。


青柳 冬弥 .
青柳 冬弥 .
 電話? 誰から⋯⋯ 



青柳 冬弥 .
青柳 冬弥 .
 ⋯⋯絵名さん? 



  液晶に表示されている『東雲絵名』の文字。



  青く光る受話器マークをタップすると
  彼女の声が耳元で問いかけた。



 東雲 絵名 .
 東雲 絵名 .
 『もしもし、冬弥くん?』 
青柳 冬弥 .
青柳 冬弥 .
 『はい、青柳です』 
 東雲 絵名 .
 東雲 絵名 .
 『夜遅くにごめんね 
 今大丈夫かな』 
青柳 冬弥 .
青柳 冬弥 .
 『時間あるので大丈夫ですよ 
 気になさらないで下さい』 
 東雲 絵名 .
 東雲 絵名 .
 『うん、ありがとう』 
 東雲 絵名 .
 東雲 絵名 .
 『その⋯⋯彰人のこと 
 なんだけどね』 



  先程から頭に浮かんでいた名前。


  無意識の内に声が固くなってしまう。


 東雲 絵名 .
 東雲 絵名 .
 『あの子、最近様子がおかしくて』 
 東雲 絵名 .
 東雲 絵名 .
 『冬弥くん、何か知ってない?』 



  やはり絵名さんも気がついていたか。


青柳 冬弥 .
青柳 冬弥 .
 『俺が知っていることは 
 少ないですが』 



  そう前置きして、口を開いた。


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