第11話

第11話
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2026/02/24 09:02 更新
ガラリ、と教室の空気が少しだけ変わる。

入ってきたのは現代文の教師だった。
先生
今日はグループディスカッションを行う。テーマは――“特権と努力は両立するか”
教室が一瞬、静まり返る。

誰かが小さく笑う。

この学校で、そのテーマ。

皮肉みたいだ。
先生
グループはこっちで決めてある
ざわ、と机を動かす音
先生
二班――赤沼凛太郎
赤沼凛太郎
赤沼凛太郎
はい!
元気な声。

私は少しだけそちらを見る。

同じ班になれないかな

と思った次の瞬間。
先生
三班――あなたの名字あなた
自分の名前。

そして。
先生
蒼井凪
静かに椅子を引く音。

蒼井凪...表情は薄く、視線は冷たい。
赤沼が小さく
赤沼凛太郎
赤沼凛太郎
まじか
と呟くのが聞こえた。

私は何も言わず、指定された机へ向かう。

蒼井はすでに座っていた。

目が合う。

一瞬。

氷のように平坦な瞳。
あなた
よろしく
小さく言う。

蒼井は数秒黙ったまま、視線を逸らす。
蒼井凪
蒼井凪
……どうも
歓迎があるわけもない。

同じ班の内部生二人は、蒼井に自然と体を向ける。

中心は、彼
蒼井凪
蒼井凪
始めて
蒼井が言う。

それは私に向けた言葉だった。
あなた
え
蒼井凪
蒼井凪
意見あるんでしょ
淡々。

距離を取るような声。

一瞬、喉が乾く。

でも、テーマを見る。

“特権と努力は両立するか”
あなた
……両立は、できると思う
視線が集まる。
あなた
環境は違っても、努力は個人の問題だから
言い終える。

蒼井は少しだけ目を細めた。
蒼井凪
蒼井凪
理想論
蒼井凪
蒼井凪
環境が整ってる人間と、そうでない人間の“努力”は同じ量でも価値が違う
静かな声。

でも、刃物みたいだ。
内部生の一人が苦笑する。

「まあ、そうだよな」

蒼井は続ける。
蒼井凪
蒼井凪
努力できる余裕がある時点で、特権
こちらを見る。

逃げ場のない視線。
蒼井凪
蒼井凪
君は、どっち?
空気が凍る。

私は数秒、黙る。

答えない。

蒼井の目がわずかに動く。
蒼井凪
蒼井凪
言えない?
あなた
……関係ない
小さく返す。

蒼井は無表情のまま言う。
蒼井凪
蒼井凪
関係ある。テーマだから
正論。

でも、優しさのカケラもない。
蒼井凪
蒼井凪
君は特待
あなた
....うん
蒼井凪
蒼井凪
なら、努力しないと落ちる立場
あなた
....うん
蒼井凪
蒼井凪
余裕ないね
その一言は、同情でもない。

分析。

ただの事実として。

私は机の上で拳を握る。

蒼井は視線を外し、淡々と言う。
蒼井凪
蒼井凪
じゃあ、結論はこう。両立は可能。ただし前提条件が違う
まるで私を材料にしたみたいに。

冷たい。

距離がある。

赤沼の班から笑い声が聞こえる。

対照的な空気。

先生が声をかける。

「あと十分。まとめろ」

蒼井は紙にすらすらと文章を書き始める。

無駄がない。

完璧。

私の方は一度も見ない。

まるで、ただのデータみたいに扱われた気がする。
発表者を決めるとき。

班の一人が言う。

「蒼井でいいよな?」

蒼井は首を横に振る。
蒼井凪
蒼井凪
外部生がやればいい
視線がこちらに向く。
蒼井凪
蒼井凪
さっきの意見が軸になってる。本人が説明した方が正確

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