「え、ええー……」
つい、声が出てしまう。
ドストエフスキーにピアスを開けられて、つけられて、解放されて、逃げるように部屋に戻ってきた。のが、今までの流れ。
怒涛の展開に頭が追いついていない。
とりあえず、そのつけられたピアスを見てみようと鏡を覗き込んだ。
てっきり、本当にシンプルな銀色のピアスだと勝手に思っていたのだが、目に入ってきたのは紫色の、まるで宝石のようなピアスだった。
残念ながら私はこういうのに疎く、これが本当に宝石なのか、だとしたらなんの宝石なのか、まったく分からないが、とにかく高そうではある。
しかも、だ。
いろいろ緊張していて、焦っていて、あまり覚えてはいないが、ドストエフスキーの目の色はちょうどこのピアスのようではなかったか。
少しだけくすんでいる、ワインみたいな紫色。
……いやいや、まさかね、と、自分に言い聞かせる。
よく知りもしない女に、そんなことするだろうか。いや、しない。……はず。
きっと適当に選んだだけだ。
なんだか面倒くさくなってきて、ぱっと思考を放棄して考えることをやめた。
すごく、疲れた。
唯一の救いであるシグマさんは、あのあと緊急の仕事が入ったとかで帰ってしまった。
やはり忙しいのだろうし、仕方ないのだけれど、いてほしかったというのが本音だ。
「はあ……」
無意識に出たため息は、誰に届くわけでも、今のこの状況を変えてくれるわけでもなく消えていった。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ顔がいいから、それも悔しいことに私のタイプだからと言って、勝手に人の耳に穴を開ける男がどこにいるんだ。
そしてそんな男たちに着いてきちゃった女が確かにいるんだから、もうもはや笑えてくる。
私はどうなっちゃうのかなぁ、なんて考えながら、耳を触る。
少し冷たいピアスと、まだ微かに残っているちょっとした痛みが伝わってくる。
正直、そこまで不快に感じなかったその感覚に、また苦笑しながらもう一回寝ちゃおう、と私はベットに寝転んだ。
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ちょっとお久しぶりです。
新学期スタート&他の作品を書いている で、なかなか更新できず…です…すみません…!!!!!!
そして短めでそれもごめんなさい。
とりあえず更新したい!という気持ちが強く…!!!
ゆっくりではありますが更新はするので、よければ引き続き読んでやってください。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。