もう1時間くらい走り回ったと思う
でもテヒョンはどこにもいない。
メンバーのみんなにも連絡したし
テヒョンのオンマにも電話かけたけど
誰もテヒョンの居場所は知らないみたい。
いるわけないよな…
そう思ったけど残るあてはあそこしかない。
私は夢中で走った。
私たちが出会った古着屋さんへと。
テヒョンと私は服の趣味が似てて、
初めて会ったのはとある小さな古着屋さんだった。
その古着屋さんで何回か会ううちに
仲良くなって、ご飯に行って…
初デートもここだったっけ…笑
ここは出会うはずのない世界線に住んでた私たちを出会わせてくれた
私たちにとって大切な大切な場所。
もうあてがないな…
そう思いながら今来た道を戻ろうとした時、
見覚えのある後ろ姿を見つけた。
私はその背中に向かって走り出した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。