俺は扉をノックすると例のヤツが直ぐに出てきた。
彼の目には俺と背負われてるうわ言しか話さん彼の恋人が映る。
これには理由がある
隣で俺にヘラヘラ笑っているあなたからはお酒の匂いがする
彼はマダム・テイラー、二十二の英傑「恋人」。
あなたの姉的存在であり、恋色沙汰に目ざといタイプだ。
察するに、恋人のことを聞こうとして、酒を飲ませたのだろう。
あなただって酒が弱い訳では無い。
ただ、普段は節度を守っているだけで、目の前のような酒豪な訳では無い。
で、マダムが満足したから、俺は呼び出されたわけだ。
「隠者」や「法王」、「皇帝」の姿が見えない。
彼らは姉にいじられる弟を助ける兄や父の役割を果たしているというのに居ないではないか。
きっと確信犯であろう相手は、たまたまよ〜などと抜かしている。
マダム・テイラーは、あなたが逃げられないと知っていて呼び出しているのだから、いい性格をしている。
あなたは二十二英傑「魔術師」だ。
この組織の起源、キッカケになった人物である。
こいつ、本気で思ってねぇな。
後であなたに報告あげとくか。
俺の背中から、両手を伸ばすあなたにタルタリヤは、軽々と脇から抱き上げ、そのまま抱える。
そうして、俺は、家の扉を閉めた。
いつもよりもふわふわで、素直な反応のあなたは可愛いが、普段からすると照れの部分が足りない。
向かい合うように膝に乗せて、抱きしめ、頭を撫でる。
段々と眠そうにしていくあなたは限界そうだ。
その言葉に肩口を見ようとするが、寝息が耳元から聞こえる。
俺もって言わせてよ
fin
なう(2023/10/02 08:09:51)












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。