第3話

#01
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2024/02/22 12:41
ライオ・グランツ
ライオ・グランツ
おはよう、あなた
あなた
ライオ、おはよう
ライオ・グランツ
ライオ・グランツ
今日もオレのあなたは眩しいな……!
あなた
冗談言ってる暇あったら早く座って




世間一般的目線で見ると、オレの嫁は毒舌だ。
そんなあなたがオレは大好きなのだが、と今日も愛するワイフを心の中で愛でて、椅子に座った。



あなた
……ライオさ、そのストール夏もつけてるけど暑くないの?
ライオ・グランツ
ライオ・グランツ
暑い?まあこのスカーフに詰まったあなたの愛情は確かに暑いが……
あなた
口縫うぞ



目を細めてオレのことを睨みつけてくるあなた。
オレの冗談(半分本音)を聞いてガックリと肩を下げたあなたは朝飯を食べ終わり、バックを持って立ち上がった。




あなた
じゃあ行くから、お弁当いつものとこ置いてあるから勝手に持っていってね
ライオ・グランツ
ライオ・グランツ
ああ、いつもありがとう
あなた
……別に




少しだけ口を尖らせてそう言い、家を出るあなたに抱えきれない愛を感じながら、あなたの手料理を味わって食べた。



























あなた
皆ー、おはよー
レモン・アーヴィン
レモン・アーヴィン
キャー!!!あなた先生!おはようございます♡
あなた
レモンちゃん……相変わらず元気だね



担任を持つクラスに入ると、いつもの通りクラスの女生徒、レモンちゃんが絡んでくる。
そして腕に絡みつき、上目遣いでこう言った。



レモン・アーヴィン
レモン・アーヴィン
私っ、今世はマッシュくんと結婚しますけど、来世はあなた先生と結婚します!
あなた
……それもいいかもね
レモン・アーヴィン
レモン・アーヴィン
ッキャーー!!男前!!




最早鼻血を出してぶっ倒れてしまいそうなレモンちゃんをなんとか座らせて、教壇に立つ。
カバンを取りだして授業準備をしていると、青髪二本線の男子生徒、ランスくんに話しかけられた。



ランス・クラウン
ランス・クラウン
……魔法史で、分からないところがある
教えてくれ
あなた
ランスくん、珍しいね




と、このようにまぁ、慕われている方だと思う。
だけど、唯一私は今気になっている生徒がいた。



あなた
……マッシュくん、今日も勉強教えるよ
マッシュ・バーンデッド
マッシュ・バーンデッド
おおおおお願いシマス




マッシュ・バーンデッド、この子だ。
勉強は壊滅的、おまけに鍵開け授業で魔法を使わず筋肉のみで鍵を開けるなどの行為をした、所謂問題児。

私は彼が入学してきてから魔法を使っているのを1度も見た事がない。何かワケがあるのではないかと心配なのだ。

ココ最近、毎日勉強を教えてあげている訳だが、彼なりに頑張っていることは目に見えてわかる。



マッシュ・バーンデッド
マッシュ・バーンデッド
ごめんなさい、先生……
あなた
ん?どうしたの
マッシュ・バーンデッド
マッシュ・バーンデッド
僕の飲み込みが悪いせいで、先生に何度も同じ説明させてる……
あなた
別に良いんだよ、マッシュくんが頑張ろうとしてるのは分かるから、期待に応えなきゃね




どんだけ勉強中に気絶しようが、涎が気づいたら垂れ流れていようが、彼のことは私が私なりに理解している。
その旨を伝えると、マッシュくんは少しだけ目を輝かせて、またノートへと視線を映した。



フィン・エイムズ
フィン・エイムズ
わ、わああぁー!!先生、マッシュくんまた気絶しました!!
あなた
……でも気絶癖は直そうね、マッシュくん
    











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