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No.1 side
私はここがどこで、何をしているところか知っている
ここは「研究所」と呼ばれる場所。
ここにいる私や兄は、実験のために生み出された「実験体」と言う奴だ.
この子はNo.0。私の「兄」に当たるものだ
私には「名前」がない。
だから番号で呼び合う。
この子はNo.7。
そう呟いたこの子はNo.2。
この真面目な子はNo.8。
作られた順番としては9さん?、はち、ぜろ兄、じゅういち、さん、私、ご、ろく、じゅう、なな、に、よん
最初に作られたNo.9さんには、誰も会ったことないんだって。
先生に聞いても教えてくれないんだよね…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。