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第1話

黒と過ぎ行く光(一話完結)
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2023/09/25 09:56 更新
【太宰 side】
何度突き放しても離れない、期待が憎たらしかった
太宰
はぁ……
何れだけ外方を向こうが、絶えず向けられる、期待。
僕はポートマフィア幹部だ。五代幹部で首領の右腕。
16と云う若さで其処まで登り詰めた僕は、誰から見ても
『異質』であり、腹が立って仕方の無い相手だろう。
そう思っていたのに、周りは腹を立てるどころか
部下
太宰さんは凄い御方だ、
あの若さで彼処まで登り詰めるなんて…
俺には到底できねぇよ!
部下
屹度、生まれ持った才能という奴だろう
部下
嗚呼、此れからもずっと天才で
完璧な人に違いないな!
太宰
憎たらしい…
任務を熟すたんびに、増えていく期待。期待。期待。
其れ等は僕を悩ませるのに足るものだった。


素より此処はポートマフィア、素直に受け取れる者等
居る筈も無いのだが、太宰は其の中でも殊更
人から向けられる感情に疎い奴であった。
其れは、太宰の性格にもよるが、一番は……
太宰
まぁ、どうせ彼の人達も裏切るんだ、
今更彼奴等の事考えたって無駄か〜……
太宰
今回はどんな風に奇襲を仕掛けてくれるんだろ、僕が死ねるものだと良いんだけど〜
太宰
『私何度も、騙されてる』か…フフ、
太宰
騙されてた、なんて一度たりとも
思ったことは無いよ
太宰
だって、端から信じちゃいないもの!
其の地位を妬み、幾度も裏切られたのが大きいだろう。
【バー Lupin】
太宰
悩ましいなぁ……
安吾
如何したんです、急に
織田作
何か悩みでもあるのか?
太宰
いやぁね?まだ死ねなくて…
安吾
はぁ…そんな事だろうと思いました
太宰
あ〜あ、何処かに清らかで安らかに
死ねる自殺法は無いかなぁ〜!
織田作
無いんじゃないか…?
太宰
はぁ…如何して悩ましい心と云うのは
こんなにも飼い慣らす事が難しいのだろう
織田作
心を飼い慣らす…?
安吾
其れは…って太宰君其の傷如何したんです
太宰
え?何処?
織田作
本当だ、右腕の所が切れてるぞ
太宰
…………あ、本当だ!
織田作
包帯、巻き直すか
安吾
そうですね、マスター、救急箱あります?
マスター
此方に。
太宰
否何でバーに救急箱があるの!?
織田作
何だ太宰、治療されるのは嫌か?
安吾
僕達も無理にとは云いませんが……
太宰
うっ……
織田作
……
安吾
……
太宰
あぁもう!君達って奴は…!
太宰
判ったよ、大人しく
治療されれば良いんだろう!
織田作
判ってくれて助かる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
熟れた手付きで太宰の包帯を巻いていく織田作と安吾。
太宰
君達もすっかり手際が良くなったねえ…
安吾
毎回誰かさんの包帯を巻いてますからね
織田作
そうだな……
安吾
因みに此の傷は何で出来たんです?
太宰
ん?嗚呼……
太宰
………自殺?
安吾
何で疑問形なんですか…はぁ、
自殺も大概にして下さいよ!?
太宰
判ってるよ〜♪
織田作
………
織田作
(違う)
織田作
(確かに死のうとした事に変わりないが)
織田作
(此奴は……)
太宰
ん、織田作如何かしたの?
安吾
え、何かあったんです?
織田作
………否、
織田作
何でも無い
(此の傷ましい子供を、見て見ぬ振りするしか…)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
数時間後……
安吾
其れでは、僕は此れで失礼します
太宰
え〜、安吾もう帰っちゃうの?
安吾
もう2時ですが?
太宰
まだ2時だよ!
安吾
否普段の僕と比べると
遅い方でしょう、失礼します
太宰
……またね!
織田作
またな
安吾
えぇ、また会いましょう
スタスタ……
織田作
……御前にしては渋ったな
安吾の姿が見えなくなった後、織田作が口を開く。
太宰
ん?何が?
織田作
否、安吾が帰る時にな
太宰
……そうかな?
織田作
(嗚呼、矢っ張り此奴は……)
織田作
否、屹度気の所為だろう
太宰
え〜そうなの?疲れてるんじゃない?
太宰
あっ、そうだ元気水炊きをまた今度
ご馳走してあげるよ!屹度元気になるさ!
織田作
元気水炊きか……楽しみにしておく
太宰
嗚呼、是非楽しみにしておいて呉れ給え!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
織田作
却説、そろそろ帰るか……
太宰
そうだねぇ、日が登ってきてしまった
織田作
嗚呼
織田作
じゃあ太宰、俺は此れで__
唐突に服を掴まれ、思わず転びそうになる。
掴まれた物の先に視線をやると……
太宰
………っあ……
太宰
御、御免…何でも無い、よ
織田作
……、だざ__
太宰
またね、織田作
織田作
……嗚呼、またな、太宰
織田作
(まただ、また、俺は…)
スタスタ……
太宰
・・・
太宰
「行かないで」なんて、云えないよ
織田の気配が消えるのを確認し、低く呟いた。
太宰
先なんて物、見据えたくも無いのに…
太宰
嗚呼、屹度もう直ぐだ
太宰
今直ぐにでも__
太宰
……却説、僕もそろそろ帰るかな
太宰
マスター、また来るよ…
マスター
えぇ。
太宰
はぁっ…っはぁ…
日も登り切っていない早朝に、太宰は走り続けていた。
兎に角、逃げたかった。此の先起こる最悪の展開から。
誰も居ない街が、何故か襲いかかって来るようで。
時に頭は、考えたくない最悪の展開を見据えてしまう。
『優秀過ぎる』太宰にとっては、殊更辛い事であった。
太宰
っ……はぁ…は、ぁ……
太宰
〜〜ない……〜〜〜い……
呼吸が荒い儘、言い聞かせるように唱え続ける。
太宰
知らない、知らない知らない知らない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
織田作
太宰
安吾
太宰くん
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
太宰
君達以外なんて、どうだって良いのに
太宰
如何して判ってくれないの?
太宰
__独り善がりでも、良い……
太宰
二人が如何思ってても、良い……
   『更に暗い方へ、落ちて行こうじゃないか。』
太宰
……
太宰
はぁ……
ポートマフィア幹部、太宰は虚ろな目で天を見ていた
太宰
煩わしい……何で君だけ……
中也
おい太宰ィ!
太宰
…何?
中也
「何」じゃねぇよ!任務終わったんだから
さっさと帰って報告すんぞ!
太宰
え〜面倒臭い、君だけで行ってよ
中也
何時もそうやって押し付けてやがって…!
今日と云う今日は許さねぇからな!
太宰
別に良いじゃない、君もサボれば
太宰
『君は何度も許されてる』んだから
中也
……?
中也
手前、何云って__
太宰
じゃ、私は先に帰るからね〜♪
タッタッタ……
中也
あっおい手前ェ!逃げんじゃねぇよ!
ダダダダダダダダッ……
部下
太宰さん、御仕事御疲れ様です!
部下
今回もこんな短時間で組織を
潰せるなんて、流石です!
太宰
うん、御疲れ様
太宰
僕はもう戻るから、報告は中也に言って
部下
分かりました、失礼します。
太宰
・・・
絶えず向けられる称賛、そして隠しきれない嫌悪。
表面だけの称賛なんて要らない、初めから嫌悪を
剥き出しにしてくれる方が良いのに___。
兎に角総てが煩わしい、姦しい……
太宰
なーんで、黙らせれないんだろ……
分かり切っている筈の問いを、虚空に投げかける。
【バー Lupin】AM 2:30
太宰
おや、そろそろ帰らないとだねぇ…
キョトンとした顔を浮かべて、太宰が呟く。
織田作
そうだな…
織田作
そう云えば太宰、外は大雨だが
傘は持ってきたのか?
太宰
……あぁ!?
太宰
此れはうっかり!忘れてしまっていたよ
…こんな事を云うのも有れだが、少々態とらしい。
織田作
ふむ……
織田作
俺は傘を2本持ってる、一本使えば良い
太宰
えっ、良いの?
…人には優しい笑みを浮かべるのに人からの優しさに
疎いのは、何とも此奴らしいな。
織田作
別に構わん、次会う時にまた
返してくれれば其れで良い
太宰
………また
織田作
スマン、何か言ったか?
太宰
……ううん、何も無いよ
織田作
………そうか
……俺には、此の小さい手を掴むことが出来ない。
だがせめて、此奴の逃場になれる様に…
太宰
傘、有難う織田作、またね
織田作
嗚呼、またな、太宰
スタスタスタ……
___太宰の姿が消えた後、小さく呟く。
織田作
「行くな」と云うのは駄目なんだろうか…
妬ましい感情と傘を共にしながら、其の場を去った。
【ふりぃだむ 前】
織田作
俺の望みは、1つだけだ
太宰
……織田作ッ……!
嗚呼、行くな、行くな、行かないでくれ
そんな声も虚しく、目の前の友は段々と離れて行く。

……何れ程の時間が経っただろう、屹度、本当は10分も
経ってないだろうが、私には何時間にも感じた。
其の時間、私は今にも泣き出しそうな雲を見ていた。
重い、分厚い雲。今直ぐ泣きたくて仕方無いのに
泣くと迷惑だから、と泣けないように見えた。
此の曇り空は、私に向けて泣いてくれるかな?

生き物は、一人では生きていけない。其れは失格者で
ある僕も、例外では無い。だから……
太宰
だったら、私が雨になろうじゃないか
【ポートマフィア本部 首領室】
……織田君はね、太宰くん
嗚呼、言わないで、言わないで呉れ…判ってるんだ。
太宰
判ってるから…言わないで下さい
おや、そうなのかい?
なら、私の言いたい事も判るだろう
君は酷く優秀だからね
太宰
……『行くな』、と?
そうさ、君に死なれたら困るのさ
ポートマフィアの利益は勿論、
私も迚も哀しいよ。
太宰
……
…………嘘吐き。
そんな見せ掛けの愛で躍らせる位なら愛なんて要らない
太宰
私は白む方彼の世へと向かいますので
太宰
貴方は、其れを知ってるでしょう?
……嗚呼、痛いほどね
【街中】
太宰
はぁ…はぁっ……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
織田作
太宰、其れは何だ?
太宰
フッフッフッ、此れはねぇ、名付けて
『元気水炊き』なのだよ!
安吾
毒の様な見た目をしてるんですが…?
太宰
酷い安吾!私が丹精込めて作ったのに!
織田作
…太宰が作ったのか?
太宰
そうだよぉ、此れを食べた部下は
踊り狂った後泡を吹いて倒れたからね!
織田作
其れは…凄く元気になれる物なんだな、
仕事前に良さそうだ
安吾
否々!確実に毒物じゃないですか!
安吾
織田作さんもそんなの食べたら
仕事じゃなくて病院に通う事に
なりますよ!?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
___早く、早く行かないといけないのに
こんな、如何でも良い事思い出しても何もならないのに
太宰
っ…も、う…やってられないな……
太宰
……でも
太宰
悲しいのは、嫌だなぁ……
『本当に??』
太宰
……本当だよ
太宰
もう、仮面なんて…要らないよ
『だったら、吐き出して消えれば良いじゃない』
『もう、楽になっちゃいなよ』 『なっちゃえ!』
太宰
…だから、言ってるじゃない
太宰
私は……悲しいのが嫌いなのだよ



太宰
……本当、に?
織田作
だ、ざぃ……
太宰
織田作っ!
織田作
御前に、言っておきたい事が、ある…
嗚呼、駄目だ……止めてくれ
逝かないで呉れよ、逝かないで……織田作……
そんな、自分が死ぬ未来さきなんて、見据えないでよ。
ずっと、言いたかったんだ。
『行かないで』って…君が、眼の前から消えるのが
何よりも、何よりも恐かったんだ。
今直ぐに声を出したい。「御免ね」って、言いたい
なのに…私は…僕は、酷く臆病だ。
太宰
……判った、そうしよう
織田作
人は、自分を救済する為に生きている、か
織田作
確かに……
織田作
其の通りだ……
太宰
、、、織田作
太宰
織田作…ッ……
太宰
……私、そろそろ行くよ……
太宰
……バイバイ、織田作
誰も居ない街を、闇を統べる者は歩いていた。
太宰
…ふふ、漸く、漸くだ
太宰
やっと、此の日が来た
太宰
興奮して、つい呼吸が荒くなってしまうよ
本部の屋上へと繋がる階段を、上がる。
【屋上】
太宰
君達は、此れ以上の事は知らなくて良い
太宰
知らないで良いんだ、知らないで
中島
太宰さん、如何云う事なんですか…?
芥川
…黒衣の男……
中島
…太宰さん、そちらは危険です
中島
離れて、下さい…
太宰
嗚呼、漸くだ、漸く私の終が来た!
太宰
此の瞬間の為に、ずっと苦しい生を
引き延ばして生きてきたんだ
太宰
他の事なんて、如何だって良いんだ!
太宰
……さよならは、言えた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
織田作
俺を、織田作と呼ぶな
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
太宰
全く織田作は…人の事を考えないんだから
太宰
……此れが、一人よがりの愛だったと
しても構わないよ
太宰
さぁ、失格者の人生の
エンドロールを回そうじゃないか
太宰
暗い方彼の世へ、落ちて行こう。
深い、儚い笑みを浮かべて、







彼は、飛び立った。
此処までの読&スクロールお疲れ様でした!
私、作者の【CocoaAisuココアアイス】と申します!
今回の御話は如何でしてでしょうか?✨
コメントで感想を教えて頂けますと嬉しいです!
こちらが本家様の【花に風】となっております!
是非とも本家様を一度聞いて、此の御話を見返して
貰ったら見方が変わって面白いかもですよ…!
其れでは〜!
【宣伝】
【突如として行方を晦ました太宰。
捜査に行き詰まった敦等は、太宰の寮室にあった
『1つの本』を見る事に。
其の本は、「太宰治」という人間失格の人生を記して
いる…人生簿であった。
太宰の本を軸に、太宰治と云う人間の全貌が明らかに
なっていく。そして、此の世界の理も。
頁の先に、有る物とは。人間とは、一体何なのか。】
タイトルの通りです。
ヽ(゚∀゚)ノ パッ☆と思い付いたネタを
書き置きして行きたいな〜と思ってます!
突如として現れた全身包帯で巻かれた少年…
もしかして太宰さん!?
18歳の太宰さんが現在の探偵社に来てしまい
ワチャワチャするお話です!
pi○ivにて私が書く予定の小説のプリ小版ですね〜
捏造+妄想=探せば矛盾ばっか Ok?

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