前の話
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【太宰 side】
何度突き放しても離れない、期待が憎たらしかった
何れだけ外方を向こうが、絶えず向けられる、期待。
僕はポートマフィア幹部だ。五代幹部で首領の右腕。
16と云う若さで其処まで登り詰めた僕は、誰から見ても
『異質』であり、腹が立って仕方の無い相手だろう。
そう思っていたのに、周りは腹を立てるどころか
任務を熟すたんびに、増えていく期待。期待。期待。
其れ等は僕を悩ませるのに足るものだった。
素より此処はポートマフィア、素直に受け取れる者等
居る筈も無いのだが、太宰は其の中でも殊更
人から向けられる感情に疎い奴であった。
其れは、太宰の性格にもよるが、一番は……
其の地位を妬み、幾度も裏切られたのが大きいだろう。
【バー Lupin】
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熟れた手付きで太宰の包帯を巻いていく織田作と安吾。
(此の傷ましい子供を、見て見ぬ振りするしか…)
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数時間後……
スタスタ……
安吾の姿が見えなくなった後、織田作が口を開く。
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唐突に服を掴まれ、思わず転びそうになる。
掴まれた物の先に視線をやると……
スタスタ……
織田の気配が消えるのを確認し、低く呟いた。
日も登り切っていない早朝に、太宰は走り続けていた。
兎に角、逃げたかった。此の先起こる最悪の展開から。
誰も居ない街が、何故か襲いかかって来るようで。
時に頭は、考えたくない最悪の展開を見据えてしまう。
『優秀過ぎる』太宰にとっては、殊更辛い事であった。
呼吸が荒い儘、言い聞かせるように唱え続ける。
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『更に暗い方へ、落ちて行こうじゃないか。』
ポートマフィア幹部、太宰は虚ろな目で天を見ていた
タッタッタ……
ダダダダダダダダッ……
絶えず向けられる称賛、そして隠しきれない嫌悪。
表面だけの称賛なんて要らない、初めから嫌悪を
剥き出しにしてくれる方が良いのに___。
兎に角総てが煩わしい、姦しい……
分かり切っている筈の問いを、虚空に投げかける。
【バー Lupin】AM 2:30
キョトンとした顔を浮かべて、太宰が呟く。
…こんな事を云うのも有れだが、少々態とらしい。
…人には優しい笑みを浮かべるのに人からの優しさに
疎いのは、何とも此奴らしいな。
……俺には、此の小さい手を掴むことが出来ない。
だがせめて、此奴の逃場になれる様に…
スタスタスタ……
___太宰の姿が消えた後、小さく呟く。
妬ましい感情と傘を共にしながら、其の場を去った。
【ふりぃだむ 前】
嗚呼、行くな、行くな、行かないでくれ
そんな声も虚しく、目の前の友は段々と離れて行く。
……何れ程の時間が経っただろう、屹度、本当は10分も
経ってないだろうが、私には何時間にも感じた。
其の時間、私は今にも泣き出しそうな雲を見ていた。
重い、分厚い雲。今直ぐ泣きたくて仕方無いのに
泣くと迷惑だから、と泣けないように見えた。
此の曇り空は、私に向けて泣いてくれるかな?
生き物は、一人では生きていけない。其れは失格者で
ある僕も、例外では無い。だから……
【ポートマフィア本部 首領室】
嗚呼、言わないで、言わないで呉れ…判ってるんだ。
…………嘘吐き。
そんな見せ掛けの愛で躍らせる位なら愛なんて要らない
【街中】
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___早く、早く行かないといけないのに
こんな、如何でも良い事思い出しても何もならないのに
『本当に??』
『だったら、吐き出して消えれば良いじゃない』
『もう、楽になっちゃいなよ』 『なっちゃえ!』
嗚呼、駄目だ……止めてくれ
逝かないで呉れよ、逝かないで……織田作……
そんな、自分が死ぬ未来なんて、見据えないでよ。
ずっと、言いたかったんだ。
『行かないで』って…君が、眼の前から消えるのが
何よりも、何よりも恐かったんだ。
今直ぐに声を出したい。「御免ね」って、言いたい
なのに…私は…僕は、酷く臆病だ。
誰も居ない街を、闇を統べる者は歩いていた。
本部の屋上へと繋がる階段を、上がる。
【屋上】
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深い、儚い笑みを浮かべて、
彼は、飛び立った。
此処までの読&スクロールお疲れ様でした!
私、作者の【CocoaAisu】と申します!
今回の御話は如何でしてでしょうか?✨
コメントで感想を教えて頂けますと嬉しいです!
こちらが本家様の【花に風】となっております!
是非とも本家様を一度聞いて、此の御話を見返して
貰ったら見方が変わって面白いかもですよ…!
其れでは〜!
【宣伝】
【突如として行方を晦ました太宰。
捜査に行き詰まった敦等は、太宰の寮室にあった
『1つの本』を見る事に。
其の本は、「太宰治」という人間失格の人生を記して
いる…人生簿であった。
太宰の本を軸に、太宰治と云う人間の全貌が明らかに
なっていく。そして、此の世界の理も。
頁の先に、有る物とは。人間とは、一体何なのか。】
タイトルの通りです。
ヽ(゚∀゚)ノ パッ☆と思い付いたネタを
書き置きして行きたいな〜と思ってます!
突如として現れた全身包帯で巻かれた少年…
もしかして太宰さん!?
18歳の太宰さんが現在の探偵社に来てしまい
ワチャワチャするお話です!
pi○ivにて私が書く予定の小説のプリ小版ですね〜
捏造+妄想=探せば矛盾ばっか Ok?












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。