最初は冗談だと思っていた。
何を少女漫画みたいな事言ってるんだろう。
でも彼の目は真っ直ぐ私を見ていた。
その正直な、純粋な目に。“頼っても良いのかな”そう思ってしまった。
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全てはこれが始まりだ。
私が何かされていたら彼は直ぐに駆け付けた。
でも彼は私を助ける度に、
周りとの関わりが無くなっているような感じがした。
だから私はこう言った。
それから中学で離れ離れになり。彼の存在を忘れた。
いや。思い出さない事にした。
だが、彼はバレーでだんだん有名になり、耳に入れたくなくても入ってきた。
彼の名前を聞く度に会いたい気持ちが溢れ出すようになった。
そしてまた失敗。この学校でも虐められ、私は転校することになった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。