放課後のチャイムが鳴った瞬間、あなたの下の名前の胸がそわそわと跳ねた。
理由は、たぶん――いや絶対、あの九人にまた会えるかもしれないからだ。
昨日のことは、夢みたいだった。
体育館の扉を開けたら、輝く世界が広がっていて。
転んだあなたの下の名前を笑ってくれて、自然に輪の中に入れてくれた。
でも、あれは本当に「たまたま」だったのかもしれない。
今日、行っても迷惑じゃないだろうか……。
迷いながらも体育館の前まで来てしまっていた自分に、あなたの下の名前は苦笑した。
そのとき、扉の隙間から聞こえてきたのは、昨日と同じ音楽。
そして誰かの声。
岩本くんのキレのある声だ。
あなたの下の名前は思わず扉から顔をのぞかせた。
その瞬間、視線がぶつかった。
向井くんが真っ先に気づいて、ぱっと笑う。
驚いたように深澤くんが眉を上げた。
九人の視線が一気に向けられ、あなたの下の名前の心臓がどきんと跳ねた。
慌てて言うと、渡辺くんがすぐに否定した。
昨日より少し照れた声に、あなたの下の名前の緊張がゆるむ。
あなたの下の名前が聞き返すと、阿部くんがペットボトルの箱を指差した。
佐久間くんが元気にツッコんで、場が一気に明るくなる。
あなたの下の名前は笑ってしまった。
向井くんの大げさな喜び方に、ラウールくんまで笑いながらハイタッチしていた。
その雰囲気が、なんだか胸に温かくしみた。
深澤くんが体育館の後ろの扉を指で示した。
不思議に思いながらついていくと、扉の向こうは薄暗い小部屋になっていた。
照明のスイッチを押すと……
壁一面にダンスの資料、鏡、大会の記念写真。
まるでSnow Manの秘密基地みたいだ。
深澤くんが笑う
その言葉に、深澤くんは少し照れくさそうに笑う。
胸が温かくなって、〇〇は何も言えなくなった。
その後も、少しだけ雑務を手伝いながら、九人の練習を眺めた。
音が鳴った瞬間、空気が変わる。
真剣な表情も、息を合わせる瞬間も、かっこよすぎて胸が苦しくなる。
突然声をかけられ、振り向くと目黒くんがいた。
そう言いながらも、目黒くんは口角を少しだけ上げた。
それが可愛くて、あなたの下の名前は思わず笑ってしまう。
何気ない言い方。でも、優しい
少し視線を逸らしながら言うその声が、やたらと胸に残った。
その言葉で、胸の奥がじんっと熱くなった。
――この場所が、あなたの下の名前の救いになるとも知らずに。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!