あなた 「うわぁ…………!」
麗日 「着いたぁぁぁぁ!!」
葉隠 「広────い!!」
歩くこと15分、私達は近くの大型ショッピングモールに着いた。
服屋や、雑貨屋、ゲームセンターなど、沢山の店が並んでる。
切島 「こっから男子と女子で別れるか?!」
芦戸 「その方が回りやすいかもね!」
麗日 「渚くんはこっちで!」
渚 「え、僕、女子の方なの?!」
葉隠 「女子の方がこういうのセンス良いしあなたちゃんいるし!ね?!」
女子の皆はやる気満々のご様子。
皆、目ギラギラしてるよぉ……………。
渚 「わ、わかっ…………ってわぁ!!。」
芦戸 「レッツラゴーゴー!!」
渚が良いよと言うやいなや、三奈ちゃんと透ちゃんが走って渚を連れて行く。
麗日「ちょ、待って〜!!!」
耳郎 「ほんっと、張り切りすぎでしょ。」
他の皆も三奈ちゃん達を追いかける。
私も行かなきゃ……………!
皆の元に向かおうとした時、『なぁあなた 』と誰かに声をかけられる。
声のした方を振り向くと、切島くんが呼んでいた。
切島くん?どうしたんだろう………。
あなた 「ん?どうしたの?」
切島 「あなた、爆豪と一緒に回ったらどうだ?折角の外出だし!」
切島くんの少し離れた所にかっちゃんが一人で突っ立ってる。
切島くんは昨日の事を知ってて気を遣って言ってくれてるのか、それとも何も知らずに優しさで言ってくれてるのか。
嬉しい事だけど、今はね………………
あなた 「ごめん。今はちょっと……………。」
切島 「そうか!あなたも女子と回りたいもんな!わりぃ!さんきゅ!」
そう言うと切島くんは男子の輪の中に戻っていく。
昨日の事、知らないっぽかったな……。
麗日 「あなたちゃーん!行くよ〜!!」
お茶子ちゃんが遠くで手を振って呼んでくれてる。
んー、どうしよ。
なんか今は一人で居たい気分かな………。
でも渚の服、一緒に選ばなきゃ……………。
私は迷った末、
あなた 「ごめんお茶子ちゃん!先行ってて!一人で回りたいからー!!」
麗日 「りょうかーい!!」
私が答えると、お茶子ちゃん達は走って三奈ちゃん達を追いかけていった。
──── この選択は良かったのか悪かったのか未だに分からないが、後の出来事に大きく関わって来る事を知らなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!