第7話

 #4 幸せ
38
2026/02/20 15:53 更新
 Episode∥ ❀白鷺 小雨❀
 ── 学校 7:00 ──
 台本を持ちながら、空き教室に飛び込んで次の演劇の
 練習をする。声を出して、悩んで、また声を出す。
 それの繰り返し。正直飽きるけど夢のためなら頑張れた。
白鷺 小雨
白鷺 小雨
( 今回演じる役は…、天真爛漫だけど
挫折を経験する音楽家かぁ……。)
白鷺 小雨
白鷺 小雨
( "挫折"かぁ…あんま経験したことないな〜。 )
白鷺 小雨
白鷺 小雨
( どーしよそれっぽく演じるしかないのかな )
#
ねぇ、あれ見てよ。
#
こんな朝早くから練習?努力家だね〜
#
そーだね。…でもさ努力家だけど、
時々さ〜、理想が高すぎる時ない?
#
…あ~確かに?ちょっと現実見れない時もあるよね。
白鷺 小雨
白鷺 小雨
………
 でも、夢を否定されるのが、一番苦しいことを
 知ると、途端に両の足を踏ん張れなくなる。頭から
 その言葉が離れず、縛り付ける鎖になる。
白鷺 小雨
白鷺 小雨
( …あー、いつからこんな調子だっけ。 )
 どうしても考えるこの現状に、打開策はあるのかな。
 そう考えながらも、
 台本を読む手を止められることはなかった。
 ────すると、いきなり頬に冷たい感覚が走る。
東雲 絵名
東雲 絵名
こんな朝早くから……小雨、大変じゃないの?
白鷺 小雨
白鷺 小雨
…!なーん先生!!✨️
 呆れた顔で見てきたなーん先生を見てすぐさま
 飛びつくと、驚きながらも笑ってくれた。
東雲 絵名
東雲 絵名
ほら、水でも飲んで、
息抜きしながらやりなさいね。
 そう言ってなーん先生はペットボトルのキャップを
 開けて差し出してくれた。やっぱり、優しい。
白鷺 小雨
白鷺 小雨
なーん先生はやっぱ優しいなぁ〜っ!
さらっと気遣いできるとことか、モテるでしょ〜?
東雲 絵名
東雲 絵名
はいはい、褒めるのはそこまで。
せっかく小雨が頑張ってるんだから、
私より小雨自身を褒めなさいよ…。
白鷺 小雨
白鷺 小雨
えぇ〜…?でも〜…ん~~……。
東雲 絵名
東雲 絵名
それに、気遣いとか言ってくれてるけど、
私は小雨だけの為なら何でもしてあげるから
白鷺 小雨
白鷺 小雨
またまたなーん先生!!
そうやって人をタラしてぇっ!
東雲 絵名
東雲 絵名
タラしてないってばっ!!
白鷺 小雨
白鷺 小雨
あはは〜…ごめんなさぁ~い。
東雲 絵名
東雲 絵名
はぁ…まぁいいわよ。
東雲 絵名
東雲 絵名
………本当に、小雨だけなんだけどね。
白鷺 小雨
白鷺 小雨
?なーん先生なんか言った?
東雲 絵名
東雲 絵名
……いや、何も言ってないわよ。
 なーん先生は少し言葉を詰まらせたけど、すぐに優しく
 微笑んで頭を撫でてくれた。優しい手つきが心地いい。
東雲 絵名
東雲 絵名
私もそろそろ職員室戻らなきゃだから、
ちゃんと水分補給して定期的に休みなさいね。
白鷺 小雨
白鷺 小雨
はぁ~い……。
 なーん先生は本当に優しいんだ。自分よりも、誰かの
 為に、一生懸命になれる優しい先生。
 その優しさに触れるだけで、もうさっきの言葉を忘れ
 られるくらい幸せだ。
白鷺 小雨
白鷺 小雨
( ……よし、今日も頑張ろっ! )
 今日も明日も、この幸せだけで生きていけるから、
 きっとどんな問題が起きても、立ち向かえると思う。

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