いやね?
家に帰って風呂に入って
机をふと見るまでは良かったのよ。
机の上に魔の企画書があるなんて思わないじゃない…
『ああぁぁぁぁぁもうこれも全部萌舞の仕事!!!
解せぬ!!!!!』
とか言いながらも頑張っちゃう私
だってこれをやらなきゃアイドルが活動できなくなるでしょ?
腐っても私はプロデューサーだ
そこんとこはちゃんとやるよ
『…衣装、全然考えてない』
時計を見るともう日付は変わっていた
今日は寝れねぇ…つらたんだぜっ☆((
~~〜~~~〜~~~~〜~~~〜~~~~~
ねむい
つかれた
ねたい
むり
ねる
『っだぁ〜~~~…』
この際女の子とか捨てたわ
今日はもうご飯作る気になれん
ゼリー食おう…
昼もゼリー持ってこう…
このゼリー10秒で食えるとかいうけど私にはぜっっっったい無理だね
カバンに企画書とデザインノートを押し込んで
ブラからサラシに着替え
制服を着て
黒タイツを履く
そして今日も
私の足はある部屋の前で止まる
『おはようお母さん
昨日はヘトヘトなのにまた新しい企画書を作らなくちゃいけなくて、ほんとに疲れた…
でも今日も頑張るよ、これ、今日のお花
行ってきます、母さん』
玄関の扉を開けると、見覚えのある白髪が
『疲れてんのかなぁ…』
「オイ」
季節外れのアロハシャツに纏ったタバコの匂い
それは碧棺左馬刻だった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。