彼女が手榴弾を投げ入れた途端、閃光が辺りを貫いた。
彼女は敵が居る事を確認すると、迷い無く建物の中に入って行く。
そしていきなり、声を張り上げた。
そう、これが作戦なのだ。
作戦23______囮作戦。
彼女1人が声を張り上げれば、とうぜん敵は声の方へ向かう。
そのどさくさに紛れて私は煙の中、さっさと首領を捕獲する、という訳だ。
煙の中から、パンパン、と銃撃音が飛ぶ。
銃弾は彼女の耳の横を抜けていった。
彼女は私に目で合図した。
私はこくりと頷いて、奥の部屋へと煙の中に突っ込んだ。
思ったより安易に敵の目を潜る事が出来た。
残りは簡単___
首領を捕まえるだけだ。
この奥に居る事は間違いないのだ。
暫く歩いた所で、少し大きな扉の前に着いた。
私は拳銃を抜いた。
私は引き金を引いた。
銃弾は敵の頭に命中し、血を噴き出しながら敵は後ろに倒れた。
首領はあっさりと武器を全て捨てた。
有り得ない。
こんな大人数を従えている首領のする事とは到底思えない。
彼女は未だ来ない。
微かに銃声が聞こえる。
数的に、残り1、2人といったところだろうか。
一先ず安心だ。
後は彼女が来るまで適当に時間稼ぎをすれば良い。
私は首領に近付いた。
___と、その時。
首領が大声を上げた。
後ろから何10人もの敵が出てきて、私に銃口を向けた。
そして、容赦なく引き金を抜いた。
私は動かない。
逃げもしない。
対抗もしない。
私のするべき事は、ただ1つ。
ギリギリまで敵を引き付けて、時間稼ぎをする事だ。
そう、今度は私が囮だ。
___残り、3。
2。
1______。
私の掛け声と共に___
敵が全員仰向きに倒れた。
彼女は首領を抑え付けた。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。