第5話

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2026/02/23 09:51 更新
彼女が手榴弾を投げ入れた途端、閃光が辺りを貫いた。


何だ…⁉⁉
敵襲だッ‼



彼女は敵が居る事を確認すると、迷い無く建物の中に入って行く。



そしていきなり、声を張り上げた。


あなた
倒せる自信のある者は来い!



そう、これが作戦なのだ。



作戦23______囮作戦。



彼女1人が声を張り上げれば、とうぜん敵は声の方へ向かう。



そのどさくさに紛れて私は煙の中、さっさと首領を捕獲する、という訳だ。



煙の中から、パンパン、と銃撃音が飛ぶ。



銃弾は彼女の耳の横を抜けていった。



彼女は私に目で合図した。



私はこくりと頷いて、奥の部屋へと煙の中に突っ込んだ。
































太宰治
ふう…此処迄くれば安全かな
太宰治
それにしても煙が目に染みたなぁ…



思ったより安易に敵の目を潜る事が出来た。



残りは簡単___



首領を捕まえるだけだ。



この奥に居る事は間違いないのだ。



暫く歩いた所で、少し大きな扉の前に着いた。



私は拳銃を抜いた。


太宰治
___やァ、どうも
誰だ貴様…!



私は引き金を引いた。



銃弾は敵の頭に命中し、血を噴き出しながら敵は後ろに倒れた。


敵組織の首領
……ポートマフィア最年少幹部、か……
太宰治
おやおや最年少幹部を前にして焦らないなんて凄いね
敵組織の首領
お前1人だけか?
太宰治
いいや 2人でね
敵組織の首領
そうか
敵組織の首領
……それじゃあ2対1になるなあ、困った困った
太宰治
……随分余裕だね
敵組織の首領
焦ってるとも
太宰治
何か裏が有るとしか思えないけど
敵組織の首領
……
太宰治
兎に角手早く済ませよう。
太宰治
大人しく捕まるか、私と戦うか。何方かを選んでもらえるかな?
敵組織の首領
勿論今直ぐ捕まるさ
敵組織の首領
2対1じゃ勝ち目が無いからな
太宰治
……じゃ、そのナイフと拳銃、後腰に付いてる手榴弾を外してもらえるかな?



首領はあっさりと武器を全て捨てた。



有り得ない。



こんな大人数を従えている首領のする事とは到底思えない。



彼女は未だ来ない。



微かに銃声が聞こえる。



数的に、残り1、2人といったところだろうか。



一先ず安心だ。



後は彼女が来るまで適当に時間稼ぎをすれば良い。


太宰治
そんなあっさりと負けを認めて良いのかい?
太宰治
これじゃあ首領としての面目が立たないよ?
敵組織の首領
まあそういう日も有るさ
敵組織の首領
それに、大人しく捕まった方が個人的にも楽だからな
太宰治
ふゥん、拷問されると知っていても?
敵組織の首領
当たり前だとも!
敵組織の首領
さあ早く、捕まえてしまいなさい。
太宰治
……判ったよ



私は首領に近付いた。



___と、その時。



首領が大声を上げた。
































敵組織の首領
お前ら、一斉射撃‼‼

































後ろから何10人もの敵が出てきて、私に銃口を向けた。



そして、容赦なく引き金を抜いた。



私は動かない。



逃げもしない。



対抗もしない。



私のするべき事は、ただ1つ。



ギリギリまで敵を引き付けて、時間稼ぎをする事だ。



そう、今度は私が囮・・・だ。



___残り、3。



2。



1______。


















































太宰治
0ゼロ










































私の掛け声と共に___



敵が全員仰向きに倒れた・・・・・・・・・・・


あなた
おお、凄いギリギリだ
太宰治
待ってたよ、あなたの下の名前さん
敵組織の首領
なっ___
あなた
はい確保ォ



彼女は首領を抑え付けた。


敵組織の首領
何故だッ 完璧なタイミングだった筈なのに___
あなた
幹部補佐だよ? こんな雑魚敵は1秒でキルでしょ普通
あなた
自分は銃の二丁撃ちと連続撃ちが得意なのでね
敵組織の首領
でも最初の部屋で苦戦してたのにッ
あなた
あれはただの茶番だよ
あなた
「一瞬じゃ敵を倒せない」って勘違いさせるための演技
太宰治
さっすがぁ 銃の扱いが上手いねェ
太宰治
……で、此奴はどうすんの?
あなた
此奴の護送は太宰幹部がお願い致します。
あなた
自分は未だ此処でする事が有りますので
太宰治
する事?
あなた
大した事じゃ無いですよ
太宰治
気になるんだけど
あなた
太宰幹部にとってはどうでも良い事だと思われますが
太宰治
良いでしょ、別に私が居たって
あなた
…判りました
太宰治
此奴の護送は私の部下にでも連絡してやらせるよ
あなた
…そんなに気になります?
太宰治
とっても!
あなた
……
あなた
では、ついて来て下さい

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