扉を開けた。
彼女は一歩踏み入れた。
部屋の中に子供の気配は、無い。
その時、俺に映像が流れた。
扉の左側から少年が1人、彼女に向かって飛び出した。
完全に不意打ちをついている。
そして、その少年に突撃された勢いのままに俺にとばっちりが食らうのを。
そこで、映像が途切れた。
俺は被害を逃れるべく一歩下がった。
が___。
何も起きなかった。
何も。
そこで、俺は気付いた。
左から飛び出す筈であった少年が、小刻みに震えているのを。
それは何故か。
恐怖だ。
膨大な量の恐怖。
俺も最初、彼女と目が有った時に冷ややかな何かが背中を走ったのを思い出した。
それを子供が食らうと考えると、それはかなりの物なのかもしれない。
未来を変える?
そんな事が可能だろうか。
そういう異能力なのかもしれない。
……今は気にしてもしょうがないか。
相変わらず仕事が早い。
こんな出来る補佐を太宰は何故これまで気にしていなかったのだろうか。
不思議だ。
まあ頑固な太宰の事だ、きっと女史と話すのが恥ずかしかったんだろう。
俺は片付けを手伝いながら、彼女に話し掛けた。
良く話す。
良く嗤う。
さっきの冷たさは何処へやら、
普通に下級構成員の俺とのんびりお喋りしている。
すると横から幸介が顔を出した。
俺が説明に困っていると、
彼女が幸介ににこりと声を掛けた。
まだ警戒気味だな。
まあ良い、
少しずつ慣れて行けば良いだけだ。
それに、幸介も恐怖を感じて「ヤバい人」という感覚はあるだろう。
悪戯を仕掛ける事はあるまい。
きっと何事も無く終わる筈。←
……この時俺は思いっきりフラグを立てていた事に気付いていなかった。
このお話より前の
「青の時代」
が舞台の話なんですけどねェ、
それが素晴らしくてもうたまりませぬ。
何というか太宰さんのツンとした感じが可愛くて可愛くて
表現が素晴らしい。
兎に角良き。
見るべき。
何故こんなにもエレガントな小説がまだ知れ渡っていないのか…
不思議だ!
見ない奴は人生損だ‼
だから見て欲しい!













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。