あなたside
冴はいつもずるい。
冴がどう言えば私が笑うのか、泣くのか、困るのかを冴は知ってる。
今傷ついてる私の心に介入するような仕方を止めるために、わざわざ今度なんて曖昧な言い方にしたのも私には分かる。
例え冴を許したのだとしても、
もう自分ではどうすることも出来ないほど私は凛が大好きで必要なんだ。
そのことを冴も知っているのかは分からない。
でもだから都合のいい存在なんて言うんだとしたら…
今更優しすぎる。
LINEの通知に世一という人からメッセージがきてることに気づいた。
文面にはお話ししたいことがあります、とだけ。
困るかななんて思いながら電話をかけてみた。
prrrr…prrrr…
そばに紙袋を準備した。
恨みを買った覚えはない。
でも深くまで知っているのはブルーロックじゃ凛と愛莉ちゃんだけ。
いくら鈍感な私でもそれぐらい女の勘で気づく。
…気づいていないふりをしていたかった。
私が過剰になっていただけで、凛はそんなことする人じゃない。
そんなこと本当は分かっていた。
でも信じるのが怖かった。
また離れていかれると思うと怖かった。
凛からのメッセージも溜まってる。
怖くて見てすらいない。私は臆病だ。
病みやすい私に優しい言葉は沁みる。
電話を切って軽くため息をついた。
私が気づいていないだけで、私のためを思ってくれている人が沢山いる。
その人達の想いに応えるためにも、私はくたばるわけにはいかない。
今私は空港まで来ている。
飛んで行った飛行機を見送った後、私は東京まで来ていた。
千切くんがこのデートで諦めてくれるなら仕方がない。
今日一日私のことを好きじゃなかった、むしろ苦手かもと思えるデートにしよう。
罪悪感は残る。
でも優しい千切くんに、恥をかかせたくない。
千切side
あなたと撮った2人の写真を三宅に送信した。
三宅が上手いことやってくれれば、凛は簡単に信じ込むだろう。
こんな卑怯なやり方したところでお前が手に入らないことなんて本当は分かってる。
でも、俺はどうしてもお前を諦められないんだ。
♡&☆please✨

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!