大夢「ねぇ、嘘でしょ?」
もはや大夢は驚きを通り越して呆れていた。私の名札はすごい効力を持っているようだ。「なんか色変わってるし」ってため息つきながらサラサラとサインを書いてる。
あなたのにこ「全員仕様も用意してた」
大夢「準備いいね、...あれ、ひとりいなくない?」
ここに来るまでも全員が気づいてた、あなたのさんこの不在。サイン会は落選してしまったあなたのさんこを理人と雄大は爆笑。威尊と豊凡は「来てほしかったなぁ」って残念がってたけど。
あなたのにこ「あなたのさんこ、お留守番」
たぶん外で待ってる、って言ったら「かわいそー」って笑ってた。
あなたのにこ「大夢、今度みんなで遊ぼうね」
大夢「ちょっと、声抑えて」
いやだって、雄大が誰も聞いてないって言うから。隣に視線を向ければ豊凡と楽しそうにお喋りしてるMINI。やっぱり聞こえてなんかいない。聞こえてないんじゃなくて、聞いてない。
大夢「...最初はさ、断ってたんだよね」
あなたのにこ「なにを?」
大夢「一緒にご飯行こって迅にめちゃくちゃ誘われてたんだけど」
あなたのにこ「あー」
あいつはそうだろうな。
大夢「やっぱMINIだしさ」
あなたのにこ「そうですね」
大夢「俺、最近ちょっと気抜いてるかも」
あなたのにこ「え?」
大夢「最近って言うか、一緒にご飯食べた日から」
気をつけよ、お互い。そう笑う大夢に、なんて返したらいいのかわからなくて。「だって俺、今INIじゃないし」って笑う迅が頭の中に浮かんだ。大夢の中で、私たちはきっと最初から、今でもちゃんとMINIなんだなって冷静に理解してみても。なぜか寂しい気分のまま、隣で待つ京介の元へとぼとぼ向かった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。