本作は、現実の歴史・国家・人物をモチーフとした架空のパラレルワールドを舞台としています。
実在する政治体制・団体・思想・事件等とは一切関係がありません。また、特定の歴史的評価やイデオロギーを肯定・否定・支持する意図は一切ありません。
世界観に登場する国家・組織・人物・戦争は、全てフィクションとして構築されたものであり、「もしも別の歴史が歩まれていたら」という仮定の下で展開される創作世界です。
読者・参加者の皆様には、本作を一つの物語・架空世界としてお楽しみいただけますよう、お願い申し上げます。
▍ 世界観解説
遥か昔、地上に存在していた文明は、ある日を境にその姿を変えた。それは人類が自ら引き起こした、"最後の世界大戦"によってである。
無数の国が、無数の兵を、無数の大義で死に追いやった。地表は焼け落ち、都市は瓦礫と化し、死者の数は、記録の限界を超えた。
その中で、人々が最後まで遺したものは、"言葉"だった。
「生きてほしい」「迎えにいく」「すまなかった」「憎んでいる」「ありがとう」
誰かに届くことのなかった手紙。
口に出されることなく途絶えた願い。
声にできなかった後悔。
そうした死者の言葉だけが、なぜかこの世界に残された。
▍ 地底都市 「ラメント」
文明の崩壊後、人々は地下へと移住し、やがて一つの巨大な都市を築いた。
それがこの物語の舞台、地底都市「ラメント」である。
だがこの都市には、他の都市にはない特異な現象があった。
それは、"死者の言葉"が物質化するということ。
遺された言葉たちは都市の中に彷徨い、時として人の形を取る。そしてその姿を変え、言葉を喰らう異形の神=邪神へと変貌する。
▍ 遺書葬儀屋
そんな言葉の災厄に対処する専門職がある。
それが遺書葬儀屋である。
別名、弔いの使徒。
彼らは死者の遺言/遺書を読み解き、鎮め、封印し、ときに実体化した言語存在=邪神を討伐する。
彼らの仕事はただの戦闘ではない。
それは、死者の魂を読むことであり、死に取り残された言葉を葬る行為である。
この職業は階級制度によって管理されており、下から階級IV→III→II→Iと昇格していく。
階級が上がるほど危険度の高い任務と“深層域”へのアクセスが可能となる。
▍ リヒマーテ前線
今なお語り継がれる、世界大戦最大の戦場がある。
その名はリヒマーテ前線。
戦争末期、幾万の兵士たちが送り込まれ、ほぼ全滅という形で幕を閉じた死地。その中で捕虜となり、地底に生還した者は極わずかである。
だが、彼らが祖国に帰還した時、待っていたのは祝福ではなかった。
街は消え、家族はおらず、別の誰かに宛てられた遺書が机の上に残されているだけだった。
それを読んだとき、その人物どう思ったのだろうか。
▍ 噂
最近、ラメントではある噂が流れている。
「殉職した職員が、生き返っていた」
「死亡報告があったはずなのに、あの人が街にいる」
「遺書を残さなければ、人は“完全には死なない”のではないか?」
この都市の構造は、死者の言葉によって支えられている。だとすれば、“言葉が消えない限り、死も終わらない”のかもしれない。
ラメントは今日も、誰かの言葉で満ちている。それは祈りか、呪いか、それとも神を呼ぶ声か。
あなたが死者の言葉と出会ったとき、その都市はきっと、あなたの名前も覚えている。
▍ 遺書の力
ラメントにおいて、遺書とは単なる文書ではない。
それは魂が最後に刻みつけた"存在証明"であり、ときに世界の理をも歪める「異能」となる。
遺書の中でも、極めて強い想念や執念を帯びたものは、読む者、あるいは所持者に対して超常の影響力を発揮する。
これを人々は総称して、遺書異能と呼ぶ。
▍ 歴史年表
【1945年】
・ポツダム宣言を受け入れた大日本帝国、正式降伏。東京は連合軍(主に米・中・英)によって占領統治される
・欧州では、ドイツ第三帝国とソ連が東西で膠着し、モスクワ密約によって一時的な停戦状態に入る
【1950年】
・独ソ休戦体制下で「分割ヨーロッパ体制」確立。ベルリンはドイツ側に残り、ポーランドは東側緩衝国に
・ナチス政権、大量移民政策と再軍備を加速。国内は監視社会化が進む
【1960年】
・ソ連、人工衛星の軍事転用を明言し、宇宙・気象兵器開発に注力
・米英仏連合圏と独ソ枢軸圏の“冷戦”が激化
【1972年】
・インドシナでの代理戦争が泥沼化。ナチスとソ連の共同爆撃により非武装地帯が消滅
・世界各地で異常気象/文明崩壊予兆が報告され始める
【1984年】
・通称「リヒマーテ前線」にて、超大規模言語崩壊現象(言霊災害)が発生
・戦場の兵士/民間人が次々と言葉を失い、自我崩壊/記録なき死に陥る
【1993年】
・各国の主要都市で暴動/内戦/異能汚染が広がり、国民国家体制が限界を迎える
・米国東海岸が壊滅、自由主義圏の瓦解が始まる
【2001年】
・「地底移住計画」がドイツ/ソ連/残存連合国により合意される
・生存可能な層である言語安定圏を発見し、都市建設を開始
・後にこの地下基幹都市は「ラメント」と命名される
【2010年】
・地上はほぼ死の土地と化す
・地下都市ラメントにて、「死者の言葉」が実体化する現象が確認され、邪神と呼ばれるようになる
・遺書を通じて発現する異能現象も増加。死者と記憶、言葉が世界を変え始める
【2020年】
・邪神災害の対処専門職として、遺書葬儀屋が制度化
・同時に、都市中枢管理機関「ゾディアック・クロス」が各国の残党エリートによって設立される
【2040年代(現在)】
・地上は“神の墓標”と呼ばれ、一般人の接触は禁止
・地底都市ラメントでは、遺書の暴走/邪神の進化など、複数の異常が進行中
・遺書葬儀屋たちは、既に世界を弔う最後の記録者となりつつある
▍ アドルフ・ヒトラー(ドイツ)
1950年:死亡(公表)
戦後のベルリン地下要塞にて、健康悪化を理由に引退したと発表されるも、数ヶ月後に死亡が確認された。
しかし遺体は「国家機密」とされ、現在も所在不明。
▍ ヨシフ・スターリン(ソ連)
1953年:死亡(実死)
心筋梗塞とされているが、対独強硬派による粛清説が濃厚。
▍ フランクリン・D・ルーズベルト(アメリカ)
1948年:暗殺説/公的には病死
ポツダム会談後に体調を崩し、療養中に死亡。
だが現場に残された遺書はルーズベルト本人の筆跡とは異なるとされており、暗殺説が囁かれる。
▍ ウィンストン・チャーチル(イギリス)
1959年:失踪(引退表明後)
政界引退を宣言した数週間後、行方不明に。
“最期の言葉が書かれた手紙だけ”が首相官邸に残されていた。
英国は「名誉ある退場」と処理したが、諜報機関内部では未解決事件として今も管理されている。
▍ 毛沢東(中華人民共和国)
1970年:死去(記録に矛盾)
公式には病死とされたが、死後の活動記録や手紙が数年にわたり発見され続けた
▍ 東條英機(大日本帝国)
1948年:絞首刑(東京裁判)
処刑直前、彼の遺書は「僕は死ぬことで国に帰る」とだけ記されていた。
死体は公開されず、火葬後の骨壷も“中身が空だった”という証言が残る。
▍ シャルル・ド・ゴール(自由フランス→仏政府)
1972年:脳死状態に移行/肉体は生存
暗殺未遂後に昏睡状態
▍ ハインリヒ・ヒムラー(ナチス高官)
1961年:処刑/記録不明
反体制派粛清後に「裏切り者」として公開処刑
▍ レオニード・ブレジネフ(ソ連後継)
1987年:自死
核融合異能に関する人体実験に関与したとの記録があり、“青白い爆発と共に消えた”とされる。
遺書は「我は静かに燃ゆ。核の言葉を信じよ」の一行のみ。
▍ ジョン・F・ケネディ(アメリカ)
1963年:記録抹消
暗殺事件の映像は残っていない。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。