━ 遺品整理 ━
振り向くと、顔の部分が塗りつぶされた写真を持ったあなたの下の名前がいた。その写真はめちゃくちゃ縁起が悪いこと間違いなしだろう。
取り留めのない会話をしていた2人だが、ここであなたの下の名前があることに気づく。
言われてみれば今は小満※、それに晴天の正午だというのにだいぶ暗い。
※5月20日頃から6月4日頃までの時期のこと(すごい、今までの小説の中で唯一本来の米印として活躍してる)
窓の外から漏れる光もある。それなのに、視界全体が暗い…というか、すこし赤みがかって見える。
にゃぽんはここが事故物件だと思い出し、視界の暗さや周囲の環境音が、だんだん怖く感じてきた。
遺品とゴミの分別などを終わらせると、再度2人は玄関へ向かった。
少しして、あなたの下の名前たちは玄関についた。
にゃぽんは手に膝をついて息切れしている。さっきまでは結構平気そうだったのに、数分でこうも疲れるものなのだろうか?
あなたの下の名前は心配になって声をかけた。
とても大丈夫そうには見えない。
にゃぽんの肩に何かが掴まっている…
……腕?手?
腕のついている胴体側を見る。
すると、やせ細った真っ黒な体の老婆が、にゃぽんにくっついていたことがわかった。
さっき(前回)見た顔面蒼白の黒いやつとは違うが、こいつもあからさまヤバいオーラを放っている。
にゃぽんは反射的に背中側を見た
老婆を引き剥がそうと、あなたの下の名前が老婆に触れようとした。
その瞬間、あなたの下の名前はなにかに背後から引っ張られ、後方に吹っ飛んだ。
素早く後ろを振り向くと、さっき見た顔面蒼白で黒みがかったナニカがこちらを見つめていた。
それも一体だけじゃない。何体も、何体も…その充血した目でこちらをじっと見ている。
無謀にも怪異みたいな目の前のナニカに殴りかかったが、拳はナニカをすり抜けてしまった。
すると怪異は黒い、手のようなものであなたの下の名前を弾き飛ばした。あなたの下の名前は玄関にいるにゃぽんの方までまた戻される。
玄関のドアレバーに手をかけた。しかしレバーは固く、全く動かせる気配がない。
熱い手のひら返し━━━━!!!
言い争っている(ことはない)間にも、周りの怪異どもはじりじりと近づいてくる。にゃぽんもそろそろばあさんのお守り(重り)で辛そうだ。
にゃぽんは精神的にも肉体的にも追い詰められてきている。この状況を、あなたの下の名前一人でどうやって打破すれば…
ダァンッ!!!
そう言って扉を蹴破ってきた男は、怪異たちにおかしな形をした銃を向ける。
それを見た怪異たちは、キィキィと変な声をあげて家の奥へ逃げようとした。しかし、男が放った銃弾…光の弾?を食らって次々に倒れては消えていく。
2人は思わぬ出来事を前に、呆然としていた。
目の前の男は、間違いなく会社の前で助けてくれたひとだ。こんなところで会えるとは…!
そう言って男はにゃぽんの肩からベリっと老婆を引き剥がす。剥がした瞬間、老婆は灰になって消えてしまった。
気がつけば、もう視界の暗さは消えていた。
2人は助けてくれた先輩に何かを奢るべく、一旦近くのカフェに寄ってから会社に戻ることにした。
カフェ店内
比較的弱い霊だったが、それでも新人や一般人では太刀打ちできずに呪殺されるくらいの力はあった。
アメリカは少し考え込んで、あなたの下の名前に言った。
新人で掛け持ちは難しい。そしてさらに、あなたの下の名前は無能力なのである。ようはめちゃくちゃ条件が不利。
新人の様子を見に別部署まで来たら、あなたの下の名前が「差別まみれの会社に革命を起こしてやる」って叫んでいたから、早く階級上げたがってる理由はすぐわかった。
アメリカと2人はそこで解散し、会社に戻った。
次回に続くと思われる!













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。