第4話

4話 なんだよもぉぉ霊かよぉぉ!!!
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2026/02/28 09:40 更新


━ 遺品整理 ━
にゃぽん
(これは…遺族に渡すもの。これはゴミかな)
あなた
わぁ!すげぇこれ!
にゃぽん
どうしたの?
振り向くと、顔の部分が塗りつぶされた写真を持ったあなたの下の名前がいた。その写真はめちゃくちゃ縁起が悪いこと間違いなしだろう。
あなた
これ遺族に渡してあげたい。大事な遺品、しかも顔写真だもんね!
にゃぽん
顔塗り潰されてるからもはや顔写真とは言えないよ。捨てよっか
あなた
えー…じゃあ…記念に持って帰りたい。初仕事記念っつって
にゃぽん
はぁ…人の遺品持って帰りたいって言い出すバカはあなたの下の名前くらい……あ
あなた
バカぁ?……バカじゃないし!!
あなた
バカって言葉ちょっとだけ嫌いなんだ!
にゃぽん
(ちょっとだけなんだ…)
にゃぽん
…ごめん、本気でIQが低いとか言ってるわけじゃなくて、どこか抜けてる、おっちょこちょいって意味だったんだ…。本当にごめんね
あなた
そうだったんだ…じゃあいいや!
にゃぽん
(じゃあいいのか)



取り留めのない会話をしていた2人だが、ここであなたの下の名前があることに気づく。





あなた
ん〜…なんか暗くない?
言われてみれば今は小満※、それに晴天の正午だというのにだいぶ暗い。

※5月20日頃から6月4日頃までの時期のこと(すごい、今までの小説の中で唯一本来の米印として活躍してる)
窓の外から漏れる光もある。それなのに、視界全体が暗い…というか、すこし赤みがかって見える。
にゃぽん
なんでだろう…
にゃぽんはここが事故物件だと思い出し、視界の暗さや周囲の環境音が、だんだん怖く感じてきた。



あなた
目の病気だったら怖いね
にゃぽん
あ、そっちの恐怖?







遺品とゴミの分別などを終わらせると、再度2人は玄関へ向かった。








あなた
いやぁ、一発目でだいぶハードだったなー
にゃぽん
そうだね…。……?
あなた
どうしたの?
にゃぽん
いや、なんか体が重くてさ。やっぱり疲れたまってたのかなぁ
あなた
私が背負うから倒れても大丈夫
にゃぽん
この年にもなって背負われるのはちょっと恥ずかしいかな…







少しして、あなたの下の名前たちは玄関についた。
にゃぽん
っはぁ…はぁ……
にゃぽんは手に膝をついて息切れしている。さっきまでは結構平気そうだったのに、数分でこうも疲れるものなのだろうか?
あなたの下の名前は心配になって声をかけた。
あなた
大丈夫そ?息してる?
にゃぽん
息は…してるでしょ……。うん、大丈夫…
とても大丈夫そうには見えない。
にゃぽん
さっきから…異様に体が重くて……
にゃぽん
(まるで、背中に重いものを背負ってるみたいな…)
あなた
……?
にゃぽんの肩に何かが掴まっている…
……腕?手?

腕のついている胴体側を見る。

すると、やせ細った真っ黒な体の老婆が、にゃぽんにくっついていたことがわかった。
さっき(前回)見た顔面蒼白の黒いやつとは違うが、こいつもあからさまヤバいオーラを放っている。
あなた
にゃぽん、それ降ろしたら?
にゃぽん
どういうこと…?
あなた
背中にばあさん乗ってるよ
にゃぽん
えっ?
にゃぽんは反射的に背中側を見た



にゃぽん
………!?!?!?
あなた
見えない?
にゃぽん
い、いる!!!おろせない…ど、どうしよ!?とって!
あなた
そんな、人を虫みたいに。了解!
老婆を引き剥がそうと、あなたの下の名前が老婆に触れようとした。
あなた
ッわ!?
その瞬間、あなたの下の名前はなにかに背後から引っ張られ、後方に吹っ飛んだ。
あなた
う……柱の角あたった…痛い
にゃぽん
ちょ、あなたの下の名前後ろっ!!
素早く後ろを振り向くと、さっき見た顔面蒼白で黒みがかったナニカがこちらを見つめていた。
それも一体だけじゃない。何体も、何体も…その充血した目でこちらをじっと見ている。
あなた
引っ張ったのはお前らか!?今のは痛かった…痛かったぞぉぉ!!!
にゃぽん
フリーザ!?
無謀にも怪異みたいな目の前のナニカに殴りかかったが、拳はナニカをすり抜けてしまった。
あなた
ダニィ!?

すると怪異は黒い、手のようなものであなたの下の名前を弾き飛ばした。あなたの下の名前は玄関にいるにゃぽんの方までまた戻される。
あなた
いってぇーなこのやろっ…!!
にゃぽん
も、もういいよ!私動けないから、あなたの下の名前だけでも早く外に…!!
あなた
わかったありがとうまたね!!!
にゃぽん
切り捨てはや
玄関のドアレバーに手をかけた。しかしレバーは固く、全く動かせる気配がない。
あなた
………。
にゃぽん
……

あなた
……にゃぽんを置いていけるわけないじゃん!!
熱い手のひら返し━━━━!!!
にゃぽん
もう終わりだよこの主人公
あなた
一緒に帰りますよ…ザーボンさん!!
にゃぽん
いつまでフリーザ様やってるの??


言い争っている(ことはない)間にも、周りの怪異どもはじりじりと近づいてくる。にゃぽんもそろそろばあさんのお守り(重り)で辛そうだ。
にゃぽん
う゛ぅ……っ…!
あなた
……帰るったって…どうすっかな…
にゃぽんは精神的にも肉体的にも追い詰められてきている。この状況を、あなたの下の名前一人でどうやって打破すれば…











ダァンッ!!!
???
邪魔するぜ!
そう言って扉を蹴破ってきた男は、怪異たちにおかしな形をした銃を向ける。
それを見た怪異たちは、キィキィと変な声をあげて家の奥へ逃げようとした。しかし、男が放った銃弾…光の弾?を食らって次々に倒れては消えていく。



2人は思わぬ出来事を前に、呆然としていた。


あなた
えっ…え、先輩!?
目の前の男は、間違いなく会社の前で助けてくれたひとだ。こんなところで会えるとは…!
???
おう!初っ端の仕事からやばい目に遭ったな。俺が来たからにはもう大丈夫だ!
???
…お前も!ほら!
そう言って男はにゃぽんの肩からベリっと老婆を引き剥がす。剥がした瞬間、老婆は灰になって消えてしまった。
にゃぽん
わっ、軽…。あ、ありがとうございます…!
あなた
すげぇー!!どうやったんですか!
???
それは企業秘密だ!…同じ会社だけど!





気がつけば、もう視界の暗さは消えていた。
2人は助けてくれた先輩に何かを奢るべく、一旦近くのカフェに寄ってから会社に戻ることにした。









カフェ店内

にゃぽん
こんなのしか奢れなくてすみません…
???
充分だ。Thanks!
???
…あ、そういえば自己紹介がまだだったな
アメリカ
俺はアメリカ。いくつか部署を掛け持ちしているが、今回の仕事は対霊部のだ。よろしく!
あなた
あなたです!よろしくお願いします!!
にゃぽん
にゃぽんと申します、よろしくお願いいたします…!
アメリカ
そんなにかしこまらなくていいぞ。てか大変だったな、初の仕事がこれって…
アメリカ
こういうのは普通ベテランが行くやつだぞ。今回のは悪霊がいるって事前に分かった物件だったしな
比較的弱い霊だったが、それでも新人や一般人では太刀打ちできずに呪殺されるくらいの力はあった。
アメリカ
(…こいつらの上司はこいつらを殺す気なのか?…無能力者差別でここまでするのか…)
にゃぽん
…霊的なのって信じてなかったけど、本当に存在したんですね…
あなた
……あっ。そうだ、掛け持ち!私、部署掛け持ちしたいんですよ!
アメリカ
おぉ、新人なのにやる気MAXだな!
あなた
はい。早く階級あげたくて!
アメリカ
ん〜……
アメリカは少し考え込んで、あなたの下の名前に言った。
アメリカ
新人だと掛け持ちはだいぶ難しい…かもな
あなた
マジですか…!!
新人で掛け持ちは難しい。そしてさらに、あなたの下の名前は無能力なのである。ようはめちゃくちゃ条件が不利。
アメリカ
でも、まぁ…俺のとこなら来れるかも?人員不足だし、俺から上に頼みこめばいけるはず
あなた
いいんですか!?お願いします!!
アメリカ
わかった。部署掛け持ちできるってなったら伝える!
あなた
やったぁ!!
にゃぽん
…どうしてそこまでしてくれるんですか…?
アメリカ
まぁ、かわいい後輩だしな!
にゃぽん
(それだけで…?)
アメリカ
(それにあなたの下の名前は無能力で周りの目が厳しい中、社会を変えようとしてるらしいし!)
新人の様子を見に別部署まで来たら、あなたの下の名前が「差別まみれの会社に革命を起こしてやる」って叫んでいたから、早く階級上げたがってる理由はすぐわかった。
アメリカ
…おっ、そろそろ時間だな
にゃぽん
アメリカさん、今日はありがとうございました…!!
あなた
ありがとうございましたぁ!
アメリカ
おう!じゃあまたな!


アメリカと2人はそこで解散し、会社に戻った。




次回に続くと思われる!

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